先日、母が亡くなった。死因はもちろん新型コロナだ。
ワクチンは届かなかった。
私が何日も画面とにらめっこをしてやっとのことで予約した接種予定は、オリンピック選手の接種が優先されて無くなってしまった。
ニュースを見ると、開会式に出るからという理由でスポーツ団体の役員や政治家まで接種を受けたようだ。
「パソコンが得意じゃないから私自身では予約は無理だった。ありがとう。」と笑ってくれた顔、役所から延期の連絡が入り、少し不安そうにしていた顔が今でも忘れられない。
母が体調を崩した当初は検査すら受けられなかった。
保健所に電話をし頼み込んだが、「今はどこの病院でも無理だから勘弁してほしい。」と逆に頼み返されてしまった。オリンピック選手村の選手を何度も検査するからと検査用の薬品が全てそちらに回っていたようだ。
「うつるから来ちゃだめ。」と弱々しく私を遠ざけようとした母の姿を忘れることができない。
母の感染は、簡易キットの赤い帯で知らされた。
やっとのことで往診に来てくれたクリニックのお医者さんからは、オリンピック選手用に病床が確保され、一般人が入れるベッドが削られていること、
選手村で大規模なクラスターが発生してしまったためそこも満床となり、実際には一般人用のベッドにすら割り込む選手が発生していることを教えてもらった。
看護師さんやお医者さん自体もそちらの対応に人を取られて臨時の病床も作れないのだそうだ。
私の母は、自宅でその命を終えた。
私は悔しい。
これまで何も悪いことをせずに生きてきた母が、ほとんど何の対応も受けられず亡くなってしまった原因は明らかだ。
ただ体を動かして得意気になっている特権階級気取りに私の母は殺されたのだ。
数年すらも待てずに騒いだこいつらのせいで私の母の数十年が失われたのだ。
私はスポーツを、ひいてはアスリートと自称する者達を一生許さない。
この文章はタイトルからも分かるとおりただの想像を膨らませた創作である。
自民党「まさか死ぬとはな…」
まぁ現時点でも「許さない」と思っている人いるかもしれないけど、大した数じゃないんだよな。100万人くらい死ねば違うのかもしれないけど、そんなには死なないよね。