姉は美人。たまにモデルの仕事をするらしい。国家資格を持っていて安定した職についている。旦那さんも姉と同様の人。二馬力で働いて大層金を持っている。
一方の私はブサイク。顔を褒められたことなんてない。資格もない。姉と比べ物にならない学歴。人と付き合ったことはない。親と同居している。
両親はかなり老いている。今にもガクッと体調を崩して寝たきりになってもおかしくない。母が拾ってきた猫は、両親同様に老いていて、毎月獣医に連れていかなければならない。
私は経済的に両親に依存している。だけどその分、同居して色々な世話をしてきたつもりだった。
姉が久しぶりに家に帰ってきた。姉は家の中を見渡してから、「可哀想」と言った。それから母親と父親から、二人がここ数年に患った病名を次々聞き出して、「何にも伝えてくれないんだね」と私を責めた。
姉は泊まりもせず帰っていった。父と母はそれから姉のことを褒めた。「モデルさんみたいに綺麗になって」とか、「あのドラマに出てる女優に似てた」とか。
それが1ヶ月前のことで、私はそれ以来頭が痛くて仕方がない。微熱が出ているからコロナを疑って病院に行ったが陰性だった。他の病院で血液検査を受けて、「特に問題はない」と返された。
寝る前に思い出すのは姉の帰ってきた日のことばかりだった。「腹が立つ」とかいう薄っぺらい言葉では表現できない、頭の中で怒りがハウリングするような感覚がした。
一昨日、姉に連れ出された。姉の持っている綺麗な車に乗り、数千円するランチを食べさせてもらった。姉は「ごめんね」と言った。1ヶ月前の話を夫に話して叱られたそうだ。「話したいことがあったら言って」と言われて、私は答えた。
母と父の病状を連絡しないのは、姉のラインの返信がいつもそっけないからだ。何行にもわたって書いたラインに、「めっちゃ長いね」と茶化すような返信が来るたびに、姉へ連絡する気持ちが削がれた。私もこれからはちゃんと連絡するようにするから、今度からはもう少し愛想のいい返事をしてほしい。
私が頼むと、姉は笑った。「家族なのに、そんな気遣いしてられない。忙しいのを察してよ」
その返事を聞いて、私は感情的になった。お金を置いて家へ帰った。家に帰り、父と母の食事を作った。父は私の様子がおかしいのに気づいて、何があったのかと聞いた。
私は姉と話したことを全て話した。姉のことが許せない、悔しい、虚しい。
私の話に返事をせず、父と母は料理の話を始めた。「久しぶりに食べると焼売って美味いな」
私は部屋に戻って眠った。
翌朝起きて、いつも通り働き、また眠った。
今朝起きて、午前の作業を終えた。
今の感情がうまく言葉にできない。大学にも行っていない私は語彙が少ない。もし私が姉だったら自分の気持ちをうまく両親に伝えられるのかもしれない。自分の気持ちを言葉にできないくせにわかってもらいたいなんて傲慢だろう。
私は両親に甘えていたのかもしれない。自分の方が出来が悪いから、親から愛されて然るべきだなんて思っていたのかもしれない。自分の方が親の世話をしているから、親から愛されると思っていたのかもしれない。そういう私の甘えが今の感情を産んだんだろう。
疲れて仕方がない。早く眠りたい。
増田は両親の「世話」をしてるなんて言って経済的に依存していることを正当化してるけど、介護しているわけではなさそう。 両親はそんなこと望んでもいないし、高齢っていくつかし...
姉の夫がまともな人で良かった