2019-11-27

ダウンロード違法化に関する誤解を解く

著作権侵害物写り込む「スクショ」はOK 文化庁が転換:朝日新聞デジタル』という記事に関するトップコメ

画面に表示された時点でダウンロードが成立しているって言う根本認識が無いので、いつまで経ってもピンぼけ制度しかならない

というのがあった(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.asahi.com/articles/ASMCV6HZBMCVUCLV013.html)。

しかしこのトップコメ理解は間違っている。

ダウンロード違法化の話が出るたびにこの手の誤解が散見されるので、ここらでそれを正しておきたい。

なお、筆者は法律は独学なので、細かいところで間違っているかもですが、その場合は誰かフォローをお願いします>丸投げ。

まず基本的理解として、法律では「何をしたか?」だけでなく「どういう動機でやったか」(=容疑者心理状態)が問われる。

分かりやすい例は人を殺した場合だろう。「やつを殺す!」という動機殺意)があれば殺人罪に問われるが、そうでなければ過失致死などになる。

もちろん、殺意があったかどうか=容疑者の心の中は当人以外は確かめようがないので、裁判において様々な外的証拠(例:「殺してやる」と常々発言していた)から殺意の有無を推察して刑が確定する。

これを踏まえた上で、さっきのトップコメの何が間違っているかというと、技術的にはウェブページの閲覧とダウンロードはたしかに(あまり)差がない。

しか容疑者の心のなかでは単なる閲覧とダウンロードは全く異なった行為である

したがってダウンロード違法化で罪に問われるのは、「ダウンロードしよう!」という意思を持ってデータ自分PCに落とした場合のみである

繰り返しになるが、意思の有無は容疑者当人しか確認できないので、裁判で外的証拠から意思の有無の推察が行われる。

例えば閲覧時にダウンロードボタンを押せば、ダウンロード意思ありと判断される可能性が高まるし、ブラウザキャッシュから「保存用」という名前フォルダ画像を移せば、それもダウンロード意思ありと判断される可能性が高まる

このようにダウンロード違法化で罰せられるのは、ダウンロードする「意思」とその意志があった事を示す「証拠」があった場合だけである。単にウェブページを閲覧しただけでは、「意思」の「証拠」を確認できないので、罰せられることはない。

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