2019-11-18

同調圧力に屈しないこと

小学校から帰ってきた息子と話をしていて、自分小学校とき同調圧力に負けそうになったことを思い出した。

しか小学校1年生の時の算数の授業で、「みかんりんごを2つ買ったらいくらになりますか?」といった問題だったと思う。

自分みかんりんご二つ分の値段を計算して答えたら、みんなと答えが違う。

先生が「増田くんと同じ答えの人いる?」と聞くと、誰も手を上げない。

の子に当てて答えさせたら、その子と同じ答えだという人がクラスの全員だった。

明らかにクラスの全員が、増田バカなんじゃね?という空気を出していた。

先生はその子になぜその答えになっているのかを答えさせた。

の子は「みかんを2つ、りんごを2つ足したら、この値になります」と答えた。クラスのみんなが頷く。

先生はその後で自分を指して、「増田くんはどう思いますか?」と聞いた。

僕が間違っています、という返事が喉元まで上がってきていて、早く楽になりたいという気持ちがよぎった。

でも、絶対おかしい、と思ったので「みかんを1つ、りんごを2つ足しました」と答えた。

最初に答えた子が「いや、みかんりんごを2つなんだからみかんを1つはおかしいと思います。」と言った。

クラスのみんなが、なんでこんな簡単問題時間を使ってるんだ、早く次に行こうよという顔をしている。

勇気を振り絞って「両方とも2つだった場合は、問題文には、みかんりんごを2つずつ買ったら、って書いてあると思います。」と答えた。

授業のベルが鳴り、先生は「次の時間までみんな考えてみるように」といって授業が終わった。

大人になってから社会心理学について書かれた本で同調圧力実験が書かれていた。

自分は専門ではないので、詳細は忘れたが、すごく簡単な問い(たとえば,現在アメリカ大統領は誰ですか?)に対して、

自分以外の被験者は全員サクラで、次々に「はいヒラリークリントンです」「私もヒラリークリントンだと思います」と答えていき、

自分の番になったとき、「(トランプだとわかっているのに)ヒラリークリントンです」と答えてしまう人がかなりの割合でいるという話だった。

この実験は本当に恐ろしいことを表している。

小一のときクラスのみんながサクラであるけがないが、僕は心の底から自分の信念を曲げて、

「僕が間違ってました」と言いそうになった。あの気持ちが、きちんと学問として定義され、実験として実証されているということに驚いた。

僕は今、社会心理学とは無縁の分野で、東大で教鞭をとっているが、いまだに同調圧力にどのように対抗すればよいのか、

わかりやす解決策は見当たらない。

空気を読まずに答えればいいと言われるかもしれないが、まずは人間がとても弱いことを認めることが重要ではないかと思っている。

授業では、社会心理学とは無縁であるにもかかわらず、このエピソードを紹介し、

からこそ、周りのみんなが理解してるように見えても、自分が納得いってない場合は授業を止めて、

とても間抜け質問でもいいので、周りの目を気にせずに質問してほしいと伝えている。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん