これは正しく読まなければならない増田だね。海外白人HENTAIと並んでいて脊髄反射で拒否したくなったが、書いてあることは非常に理解できる。「男が悪い」と押し付けているわけではないしね。(罪深いという言葉はあるが)これは結構難しいことなので、評価されるべき行動と思う。
さてこの話は、潜在的ヒエラルキー意識(金持ち→貧乏人や、欧州→アジアのような)も絡んでいる。ひどくざっくり言えば、日本の「エロ」文化の独自性と「一部欧州にとって未知なる日本という国がHENTAIで女性差別的であることは実に都合がいい」ということが悪魔合体してしまい、日本人女性は迷惑するという結果を招いている、ということと思う。非常に男性的(バイアシーな表現失礼)に言ってしまうと、先の大戦で日本が勝利していたらこれは異なっていただろう。これはそういう、「真理のように見えて実は流動的な問題」なのである。
「他人の気持ちになって考える」というのは結構難しい。性別や国籍が違えば猶更である。なぜなら他方に自分は行かないからである。女は「女というだけで性的対象に見られる」ことが耐えがたいし、男は「男としての内心に納めている性欲までも否定される」ことは許しがたい。その互いの「辛さの程度」は互いには分からないので、いわゆる「不幸自慢」的な流れになってしまう。そんな時に権威があると主張の拠り所にしたくなる。それは研究だったり、「海外の目」であったりするわけである。しかしそこには絶対的な基準は実はない。研究は一側面だし(実際に真反対の研究結果も出得る。じゃあどっちが正しいかというのは結局「それっぽさ」を脱せない。学会は多数派に付くが、マイノリティが必ずしも不確かだとは誰も言わない)、「海外」も結局人間の集まりなのである。