小学校高学年から不登校になり30歳を過ぎて中卒(定時制高校中退)の鬱病患者で就労支援施設通いという身分になってやっと落ち着いた妹の半生から学んだこと。
親は妹を学校に戻そう大学に進学させよう就職させようと20年近く頑張ったけど、どれも失敗して鬱病だから普通には働けないとの医師の診断が下りてようやく諦めることができて解放された。
この結果が最初からわかっていたなら妹に親が使った金も時間も労力もいらなかったし妹も鬱病になるまで追い詰められなかったろうにと思う。
うちはわりと裕福で無駄になった妹のための学費や治療費のせいで自分の進学や部活や習い事が制限されたということは無かったので、その点で妹を恨まずに済んだのは良かった。
しかし「自分は長子だけど家を出ていくからお父さんとお母さんが要介護みたいになったら家から出られないお前が面倒をみてね」とわざわざ口に出して妹に言ってしまったのは我ながら理不尽だけど妹に八つ当たりせずにはいられない気持ちがあったのだろう。
悪いのは両親の方だと理性ではわかっているのだけど妹が「まとも」だったら自分の子供時代はもっと平和だったろうにと思わずにいられなかった。
そんな自分ももうすぐ人の親になるわけだが、もし子供が「学校に行きたくない」と言い出したら「あっそう。行かなくていいよ」で済ませることに決めた。
不登校が始まってから落ち着くまでの間で妹が唯一楽しそうにしていたのは親がカウンセラーの「見守りましょう」という指示にしたがってネット漬けになるがままに放っておいた半年ぐらいの間だけだったのを覚えているから。