特許が切れると、どの企業が参加しても良くなるし、成熟した技術を元に大量に投資して、一貫量産でコストを一気に下げにかかる企業が現れる。
無論儲かりそうなら投資をするのが世の常なので、そういう企業が複数現れる。その企業間の競争で一層価格が低下する。
また、価格が低下すると、大量に売れ始める。売上も上がるので、更に技術が洗練される。競争が一気に激化することもあって、開発競争が強くなり性能が上がる。
そうなる前に、最初強かった企業が特許保持の20年のうちに大量生産、量産で価格を一気に下げて強くしておかないとならない。なお、各種電子部品ではそれができている。
3Dプリンタ、太陽電池で起きてきた流れだ。リチウムイオン電池もそうなるかもなと思っていた。案の定、テスラだとか、トヨタですら中国メーカーCATLと組むという流れになっている。
いま、リチウムイオン蓄電池の世界トップはその中国メーカーCATLだ。
出資環境が活発な場所で、ターゲットにする商品一本に絞って、どんどん出資を募って、蠱毒のように争い、最後の一匹になれた会社が勝つ。
今思えば、シャープも、ディスプレイ、太陽電池を専門企業として分社して、シャープの出資比率がどんどん減って、子会社から外れようが、「増資」で資金調達したら勝てたのじゃないかと思う。
シャープ本体と一体で「借金」で賄ったがために、返済の問題がおきて、本体も傾いてしまった。
増資は返す必要はない。その代わりにうまく行けば投資した金が何十倍になる。借金は返す必要があるが、うまく行っても、ちょこっとの金利分しか帰ってこない。
蓄電池はこれから大幅に価格が低下する。残念ながら、日本メーカーは勝者の立場にはいないだろう。
蓄電池だけ別会社にして、その会社を潰す覚悟+元会社の出資比率を下げ、子会社から外れるつもりでバンバン増資をつのればワンちゃんあるが、そこまで出来ると思えない。
ああ、ついでに、。反原発、親原発というが、太陽電池が上記の量産低価格競争にすでに突入している以上、蓄電池があれば基幹電源になる。
その蓄電池が安くなれば、原発は純粋にコストの面で使われるようになると思えない。今のままでは、蓄電池でも勝者に日本企業はいないだろうが。