(朝の食卓)
姉「さとるは?」
弟「僕もう決めたよ?」
母「何にしたの?」
弟「プレステ4」
姉「ふ〜ん」
母「いくらすんの?」
父「2万ぐらいだな」
姉「いや、多分ソフトも入れたら、4万くらいすんじゃない?」
父母「「4万!」」
姉「うん」
母「さとる、一応第二希望も決めとけば?もう少し安いのも」
弟「なんで?」
母「ほら、サンタさん、みんなのプレゼント買わなきゃだから、あんまり高いのお願いしたら、お金足りなくなっちゃうでしょ?」
母「そりゃそうでしょ」
母「いや、買ってるよねぇ?」
父「うん、あれは全部、自腹で買ってるね」
弟「そっか」
弟「うん、わかった」
弟「サンタさんって、どこのお店で買ってるんだろ」
母「え?」
弟「おもちゃ」
父「うーん……」
母「トイザらスじゃない?」
弟「トイザらス?」
母「あそこ、おもちゃいっぱいあるでしょ?」
弟「そっか、大丈夫かな?」
母「何が?」
弟「みんなのおもちゃをトイザらスで買ったら、売り切れになって普通のお客さんが困るんじゃない?」
父「……あれじゃないかなぁ、メーカーから直接仕入れてんじゃないかな」
弟「メーカー?」
父「サンタさんは毎年、大量におもちゃを買うからさ、おもちゃを作ってるところと契約して、直接仕入れてんだよ」
弟「へぇー」
父「だからおもちゃ屋さんで買うよりも安く仕入れられるんだよ」
父「……あー、まあ、安くっつってもたかが知れてるけどね」
弟「そうなの?」
弟「分かった」
父「お金⁉︎」
弟「みんなにおもちゃを買うためには、お金がたくさんいるんでしょ?」
父「まぁ、そうだね」
弟「そのお金はどうしてるの?」
弟「サンタさん働いてるの?」
父「そりゃそうだよ〜みんなにおもちゃ買わなきゃいけないし、たくさん働いてるよ」
弟「えらいね」
母「偉いよ〜感謝しなきゃね」
弟「どれくらい働いてるのかな?」
母「いろいろ掛け持ちしてんじゃない?」
弟「例えば?」
弟「へ〜!おじいちゃんなのに、たくさん働いて体壊したりしないかな?」
父「……だからあれだよ、働いてるといっても、マンションを経営してんだよ!」
弟「マンション?」
父「マンションを持ってるだけで家賃収入があるから、その金でみんなにおもちゃを買ったり自分の生活の足しにしたりしてんだ」
弟「そうなの?」
父「うん。都内の高層マンションなんて、ほとんどサンタさんのだよ」
弟「そっか、よかった。たくさん儲かってるんだね」
父「まぁね」
弟「じゃあ、プレステ4も買えるかな?」
父「……いや〜、儲かってるって言っても、限度があるからね」
弟「そっか」
弟「わかった」
父「パパが今度、サンタさんに聞いとくよ」
父「電話代?」
弟「サンタさんって、外国の遠いところに住んでるんでしょ?国際電話だと、すごくお金かかっちゃうでしょ?」
父「うん……それは大丈夫だよ!あー……日本の事務所に、つながるから」
父「サンタさんって、ひとりじゃなくて世界中にたくさんいて、それぞれの国に担当がいるんだよ。日本の地域ごとにも担当のサンタさんがいるからね」
弟「へ〜!すごいね。日本にもたくさんいるなら、おもちゃ代もそんなに大変じゃないね」
父「まぁ、そうかな」
弟「プレステ4お願いできるかもね」
父「あ〜〜〜、でも、東京だけでもたくさんの子供がいるから、大変っちゃ大変だよね」
弟「そっか」
弟「うん」
母「あと、いい子にしてなきゃもらえないからね?」
弟「サンタさんって、ずっと見てるの?」
母「へ?」
弟「僕がいい子にしてるかどうか、ずっと見てるの?」
母「……見てるよ〜?」
弟「どうやって?」
母「……どうやって、だっけ?」
父「……あれだよ、サンタさんの事務所に、たくさんのモニターがあって、そこで、自分が担当している子供たちの様子を、監視できる仕組みになってんだよ」
弟「へ〜!すごいね」
父「すごいよ!だから、悪いことしたら、すぐバレるよ」
弟「そっか、なら平気か」
母「ほらさとる、もう行かなきゃ」
弟「ごちそうさま」
父母姉「「……」」
(通学路でタワーマンションを見上げて)
弟「マジで。」
こういう糞寒い増田書く奴って普段仲間内でもスベりたおしてるんだろうな