2018-10-15

パンピ創作者A子の話

A子はちょっとした創作物を作っている。

近頃は知り合いに頼まれ製作を行っているようだ。

しかし世の中には創作をしない人間が大多数を占め、その大多数にとっては製作者の時間や想いなど関係がない。

かまし人間がいるものだとたまにネット上でも話題に上がる。

さて、A子の元にもそんな人間が現れた。

彼女ーB美ーはA子がお世話になっている人の親戚だという。

そういう事情と大量の注文により知り合い価格で、また、無料で追加制作を承っていたA子であったが、今度の注文はB美の友達へのプレゼント用であった。

もちろん面識などない。

通常価格で承る案件である

しかしB美にとっては知り合い価格通常価格

正直に料金を言うと大層驚かれたようだ。

それがA子には我慢ならなかった。

ボランティアでやってるんじゃない」

「厚かましいにも程がある」

作業の合間に愚痴を零す。

普段からA子には何を言ったところで火に油である私だが、あまりの言い様に「創作しない人には分からないんだよ」とたしなめた。

それがやはり気に障ったらしい。

わかる。

なんだかよく覚えていないが、創作者らしいことを言っていたような気がする。

一介の創作である私にも大変よく理解のできることを言っていた。

先に述べたように、それを作ることのしない人には分からない領域である

知らないことは、分からないのだ。

それはさておき、A子の名刺には秘密がある。

素敵な装飾をあしらった、センスのよい名刺だ。

一見、何の問題もなく見えるそれだが、この装飾はA子が描いたものではない。

なんと画像検索で出てきた画像素材、そのSAMPLE文字を消して使ったものである

さら無料素材ならまだしも、どこから取ってきたのかも分からないと言うから驚きだ。

この際無料も有料も関係ない。

SAMPLEが付いている時点で、無断利用はご法度であろう。

しかもそれは名刺に留まっていなかったのだ。

完全に商業利用である

それを知る私は、先のA子の愚痴に疑問しか湧かなかった。

から創作しない人には分からない」と油を注いでみたところもあるのだが、そんなこと知る由もないA子はヒートアップ

私も私で、よせばいいのに素材の無断利用のことに言及した。

A子の言い分はこうだ。

「私の作品は頼まれもの。絵は私に頼まれものじゃあない」

かにそうである

しかし私から見れば画像素材も"ボランティア"ではない。

商品には提示された料金を支払わなければならない。

当たり前のことだ。

根本は同じことを話しているのに何故分からないのか。

A子から見れば私は絵のことになるとムキになるらしいが、生憎私は絵を描かないので例えこれが画像素材でなくとも引き合いに出したであろう。

結局、何を言ったところでムキになるの一点張りで面倒くさくなり打ち止めた。

今回、良い機会だと思い素材のことに言及してみたのだが、どうすれば理解してくれるのだろう。

知らないものは、分からない。

わかる。

だけど、とても悲しい。

パンピオタクの溝だよね、わかる…。

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