買い物が済んで帰ろうとしていると通路に小学生くらいの女の子が一人で立ちすくんでいた
一旦はそのまま通り過ぎたのだけれど、気になって振り返ると自分の方をじっと見ていることに気付いた
近付いて「お父さんかお母さんは?」と聞くと、「いない」と泣きそうな声で答える
スタッフに引き渡すしかなさそうだと判断して案内所に連れて行くことにした
「こっちにおいで」と声を掛けると、黙って後を付いて歩いてきた
案内所に行き受付のお姉さんに「この子、迷子みたいなんですけど、お願いできますか」と伝えた
お姉さんから「どの辺にいましたか」と聞かれたのだけれど、気が動転していたのかはっきり覚えていなかった
「そこを右に曲がったあたりだったかな」と曖昧な説明をすると、お姉さんは訝しげな顔で私の全身を見回した
お姉さんはカウンターから出てきて女の子に「お父さんとお母さんが戻ってくるまでお姉さんと待ってようか」と笑顔で話しかけた
もう大丈夫かなと思ってその様子をボケッと見ていたらお姉さんがこちらを振り返り真顔で「あ、もう結構です」とだけ言った
まず、声を掛けるとき、いわゆる声掛け事案に発展するリスクがある
親とはぐれて不安な小学生がおっさんに近寄られ、「こっちにおいで」などと言われたら恐怖で泣き出しても無理はない
また、案内所に連れて歩いているところを両親が発見して因縁を付けられるリスクもある
あまり言いたくないがアウトレットなどは郊外のあまり民度が高くない地域にあるのだ
増してや買い物中に我が子をしっかり見ていられないような親である
連れ去りと早合点して一方的に絡まれる事態が起こらないとも言い切れない
そんなリスクを冒しながら迷子を案内所まで届けてあげた親切な客に対してあの態度はなんだろう
こちらに挙動不審なところは多少あったかもしれないけれど、せめて「ありがとうございます」の一言くらい言えないものか
とにもかくにも私の仕事は終わった
そんなリスクを冒しながら迷子を案内所まで届けてあげた親切な客に対してあの態度はなんだろう 上に文句言うといいよ
近くの店の店員に言えばいいだけでは