2018-04-06

「なんで俺が怒ってるのかわかる?」

私の母は異常だった。

物心ついたときには背中タバコ押し付けられ、水風呂に無理やり入らされ、裸でベランダ放置された。 

父はそれを見てみぬふりをした。思えば、彼に名前を呼んでもらった記憶がない。父は仕事が娘だった。

小学生ときに私に暴力的だった母は、私が中学生の年になると暴力を振るわなくなった。

良くはわからないが病院に通院し改善されたらしい。

だが私に対する暴言はやめなかった。

死ね。消えろ。ブス。お前なんて産まなきゃよかった」

別に何も響かなかったけど、毎日いわれれば覚えるよ。

私が中学生になると、当時父の浮気相手をしていた母方の叔母が私を哀れに思ったのか、よく一万円をくれた。

月に数回貰える一万円を母にバレない場所に隠して貯めた。

別に何をしようってわけでもなかった。この家を出ていこうとか、そんなことは頭になかった。

痛いのも汚いのも嫌いだし、これ以上辛かったらどうするのか。そういった考えが頭にこびりついて離れなかった。

高校に入った。

母はもはや何も言わなくなっていた。年単位で見て、家にいる日数よりも病院にいる日数のほうが遥かに多かった。

父はそれでも離婚せず、仕事を気遣った。

私は現実から逃れるように本にのめり込んだ。高校から文芸部に入り熱中した。

父が私の口座に振り込む朝昼夜食代をすべて本の購入に当てたりして参ったりもした。

恥ずかしい話だけど、私は高校生にして初めて恋を知った。

バイト先の数十歳歳上の先輩だった。

彼に告白しようか、迷って迷って告白できなかった。

好意を見抜かれたのか、デートに誘われ流れで付き合ってもいないのに関係を持った。

ズルズルとその関係が続いたが私は満足だった。

「なんで俺が怒ってるのかわかる?」

妊娠を伝えたときの彼のLINEだった。結局わからなかった。

彼は親の同意不要中絶手術ができる病院URLを貼って、それからは何も言わなかった。

翌日も同じ職場バイトするが何もなかったかのように振る舞った。

叔母に貰って貯めていたお金をすべて使って中絶手術をした。

向日葵の顔がポトリと地面に落ちるかのように、恋愛感情は消えた。

それからも、大学入学地方に行くまでその関係は続いた。

引っ越し地方大学に行くと連絡は通じなくなった。

その後私は普通に大学生活を過ごし、今年の春にやっと就職した。

一人暮らしを初めてやっと私の家庭が異常だったんだな、と気づいた。

いつか全部話せる異性と出会えたら素敵だな

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