遠距離恋愛をしている彼氏ともうすぐ結婚する。そのために今の住まいから飛行機の距離の土地へ引っ越すことが決まった。
それぞれ違う仕事をしている、男女6人くらいの、学生サークルのようなノリのグループができた。
みんな歳は近く、突発的に遠出したり、酒がなくてもバカな話で一晩盛り上がったりできる貴重な友達だ。
そのうちの一人と先月、セックスをした。
その友達は、イケメンでいい香りがして身体も鍛えていて気軽に話せるいいヤツなのに童貞、という稀有なステータスの持ち主だった。
早いうちに書いておくと、私は彼氏がいても男友達とエロめな接触をすることが好きだし、セックス中の自分が受け入れられている感覚が大好きだ。
クソ野郎の自覚はあるし、完全に自己愛の塊なので彼氏に対する罪悪感はほぼない。
閑話休題。
大きいプロジェクトを終えた夜に、疲れたから今夜だけ優しくしてほしいと甘えに行った。
セックスしたい気持ちを見せないように巧妙に甘え、「彼氏いるからだめだよ」という誠実な断りを「今日だけだから」の言葉でなきものにし、エロいことをして彼の「挿れたい」というおねだりに応えるかたちで無事事に及ぶ。
触り方やキスの不慣れさ、意外な乱暴さから童貞であることが確信に変わった。
鍛えているだけあり体力はある彼とのセックスは楽しかったが、それ以上に普段対等な友達である彼が私を女として見ている状況が面白かった。
ピロートークも甘いものではなくて「身体固すぎ」とか「無駄にデカすぎ」とか、普段遊んでいるときのようなテンションで、笑いながら文句を言い合った。
なんだか、こういうセックスっていいなぁと思う。
彼とはその後も会ったり遊んだりしているし、プライドが高いので私から夜に2人で会おうと言うことはないが、引っ越しするまでの間に誘われれば行くつもりだ。
彼が大好きな友達であることに変わりはなく、そんな彼の童貞を奪った(だろう)ことに充足感がある。
朝起きてもう一度したいとねだる彼に、昨日だけって言ったでしょ、と余裕を見せつけられたのも満足している。
彼はこれからしばらくの間、私が薄着しているのを見るたびに少し興奮してくれるのではないかと思うとたまらなく愛しい。
でも、なんだか共犯者のような気分で悪くない。
おっさん
良いなあ…
クソ野郎の自覚はある これを最後に持ってくればオチになった