木元選手と京之助が決まったと聞いた瞬間、私は耳を疑った。
勝てるわけがない。何を考えているんだ。
瞬間にそんな言葉が口をついてでた。
一部メディアでは京之助がまさかの敗戦などと書かれているが、相手をした木元選手はそこそこのアマエリートで6回戦でスタートをしていても全くおかしくない選手だ。
4回戦では相手が嫌がって試合を組むのも難しい、そんな選手なのだ。
亀田陣営がリサーチ不足だったのか、デビュー戦にあんな相手をあてられた京之助がまったく可哀想になる。
しかも、お得意のビックマウスプロモーションでヘイトをためつつ、貯まった分だけ視聴率をとるというイケダハヤトみたいな炎上マーケティングの路線でいって初っぱなあんな強い相手とか気の毒でしかない。
むかつくけど、強いぜ、誰かあいつをボコボコにしてくれー!というのでヘイトと注目をあつめるはずが、初戦にして皆はカタルシスを得てしまったことだろう。
ジョーブログの番組のなかでジョーがボッコボコにやられているのを見て、京之助が強いという印象を受けがちだが、多くのボクサーはそれほど実力はないというのを知っていた。
木元選手がやるという噂が流れ始めた頃、ジム内の4回戦ボクサーたちは口々に「美味しい」と羨ましがった。
京之助がまあデビュー戦にしては動ける方程度の実力ということはすでにわかっていた。こういう時、スパーをジム内のだれか、もしくはその繋がりがある人とやったという噂がジム内にはすぐにながれる。
私がいつも圧倒している後輩よりさらに弱い人が京之助とスパー経験があり、どっこいどっこいくらいの実力と聞いていたので多くのジムメイトたちは京之助がさほど強くないということを分かっていたのだ。
デビュー戦とか1勝2敗とかならちょっとビビる相手かもしれないが、2勝以上している選手たちは絶対に勝てるという確信を持っていた。さらに4回戦の実力をはるかに越える木元選手とやるとなればもう可哀想でしかない。
よく木元を選んだな、タイ人とかじゃないんだ。。と言う声を何度も聞いた。
そして結果は皆も知る通りになった。
ただ今回は初心者とエリートがやったからこういう結果になったわけで、京之助自体のポテンシャルは未知数だ。とにかくめちゃめちゃ練習をして、同じくらいの相手と戦って勝ったり負けたりして強くなっていってほしい。
木元選手の初戦も見たが、彼もやっぱ初戦は固かった。圧倒はしていたけど不意にダウンして判定負け。かなり反省していてその後めちゃくちゃ努力を重ねて今があるのを知っている。やっぱりキャリアは実力に結び付くよ。京之助にはどんどん試合をして学んで強くなっていってほしい。