その友達は昔から男運がなくて、ストーカー気質の人につきまとわれたりした。その経験から「現実の男性より、芸能人とかアイドルの方がいい」と言っていた。しかしとあることがきっかけで、彼女はそのアイドルのファンをやめた。「もう女の人しか信じられない」状態である。それが今年の1月の話であった。
桜の蕾が膨らむ三月、彼女はその人に出会った。今まで彼女にくっついてきたどんな男より優しく、そして何より彼女を大事にする人だった。私から見ても二人はお似合いだった。付き合う、と聞いた時は心から祝福した。私は不安なことがあったらすぐ言ってね、と伝えた。でも多分、この人なら彼女にそんなことはしないだろう、と思っていた。春はもうすぐ側にきていた。
めくるめく夏五月、二人は青々しい若葉のようだった。彼はどんなものがすきで、この前こんなところに行って、とても楽しかった、と嬉しそうに話してくれる。少し前まで男関係で落ち込んでいた彼女とは思えない。彼氏の話が多いのはまあ仕方ない。一方で彼氏の方といえば、かなり彼女にベタ惚れのようだ。私の前では見栄を張っているのだろうけど、割と隠しきれていない。そういうところもすべて含めて、二人は若くて、きらきらした恋人だったと思う。
そして秋、冷え込みと温かさの繰り返す10月。突然の彼女からの電話。なにやら落ち込んでいる様子。どうしたの、喧嘩?と聞くと、彼女は
「男ってみんなそうなのね」
という。よくよく聞いてみると、彼がセックスしたいと言ってきたそうだ。手を繋いだり、キスしたりするのはもう慣れたけど、と彼女は言う。何せ彼女がファンをやめたアイドルは、下半身事情で取り沙汰されたからだ。悩むのも頷ける。
私は本当に嫌ならそう伝えるべきだし、もうすこし時間を置いてみるのもいいんじゃない、と伝えた。彼女はありがとう、と言った。
二週間後、再びの電話。
ついに別れてしまったか…!と心配するより先に電話に出た。開口一番彼女は、
「開通しました!」
私は思わずは?と言ってしまった。あれだけ拒んでたのは何だったの?!と問い詰めた。するとどうやらそういう雰囲気になった後、見栄を張って引くに引けなくなって、ということらしい。私の杞憂だった。男女は大体そういうものなのかもしれない。彼女の明るい声を聞きながら、私は窓を開けた。涼しい風とともに、カラスの鳴き声が響いた。なんてあっけない秋。
後日彼女に会うことがあった。お互い忙しいので会うこともなく、8月以来である。
「男ってみんなそうだよねえ」
と感慨深そうに言った。
どうせみんな変態なのよ、と笑っていた。真面目そうな人でも頭の中は変態なの、男はみんな変態!いつもエロいこと考えてる!と言い張ってきかない。私もその意見を全否定こそしなかったが、彼女の言い方はなんだか癪に触った。
確かに男性は女性よりも、性的なことを考えているかもしれない。でもどんな男性もそうである、というのは言い過ぎではないだろうかと思う。彼女の多くの友人が、性欲の旺盛な男性と付き合っているのも影響しているだろう。彼女はついに身内の性欲について話し始めた。それは触れないでほしい話題のはずだ。よもやセックスが彼女を狂わせたのだろうか。
「男ってみんなそうだよねえ」
そうなんだろうか。
私は男性と付き合ったことがない。その上男兄弟もいない。なのでよくわからない。どんな男でも、いつも性的なことで頭がいっぱいだと思って置いた方がいいのだろうか。もしそうだとしたら、私はこれから異性とうまくやっていける自信がない。出家したお坊さんぐらいしか希望を見出せない。性欲というコーヒーカップで楽しそうに回る男性たちの図が頭に浮かんだ。もうダメかもしれない。教えて増田さん。
まあ女を前にしているときは、目の前に美味いものが置いてある状態と変わらないだろうな
はい。男ってみんなそうです。 生涯を性欲に振り回されて生きている生き物です。 もちろん個人差もありますし、勃起力の衰えとともに、 直接的なセックスは恥ずかしくてできない状...
結婚って結局、家庭を持つこと。ゴールじゃなくてスタート地点。 一緒に子育てをして幸せな家庭を築きたいという欲求がなければ相手と結婚する必要もない。 幸せの形は人それぞれだ...
記事主です。最近になって彼女はようやく男全員が野獣ではないことに気がついたそうです。環境って大事。