2017-10-12

俺が果たせなかった日本横断を後輩が果たすと言い出した

高校部活の後輩が同じ地域に住んでいてとても仲良くしていた。

当時、俺は専門出て就職して働いてて、後輩は国立大学に通う学生

 

後輩は、文字じゃ伝わりにくいけど心の底から人を尊敬できる本当に凄い奴で、本当に性格も人当たりも良い人

おまけに優秀で数年経てば社会的立場は抜かされるだろうなと思ってたが、特に嫉妬とかはしてなかったが

後輩は高校時代から何故か俺を凄く尊敬していて俺は大分むず痒かった

  

ある日、後輩は俺がなし得なかった日本横断をすると言い出した

学生時代俺は確かに日本横断に挑んだ

何となく自転車で旅をし始めたら楽しかったので「コレはもう日本横断するしかねーな」と意味不明思考で旅立っただけだが

元々登山やそれ程広くない範囲自転車旅は経験していたのと持ち前の図々しさで、割りとすんなりと計画は進み

「乗り物は何使ってもOK」という自分ルールで時にトラックに乗せてもらったりといったズルもして計画は順調に進んだ

しかし、途中で2代目自転車が破損し旅にも飽き始めていたこともあってそのまま家に帰った。

 

別に日本横断は俺の夢というわけでもない

楽しいことは楽しいけど期間が長過ぎで気持ちがダレるし、宿泊地やスケジュール等、色々考えなきゃいけなくて面倒臭い

仲良くなった人の民家に泊めてもらったりって感動もあるにはあるが、命の危機を感じたことも一度や二度じゃない。

車でも同じくらい感動できると思う、危ないから止めた方がいいと後輩を止めるが「そもそもそんな体力ないです」

「でも、車なら安全ですもんね」と後輩はヒッチハイクによる日本横断を計画した

 

車に乗せてもらうって結構恐いし危ないぞ、と伝えるも

安心してください、先輩の夢は俺が果たします」とテンション上がりきった後輩を止めきれず、気付いたらもう出発してた

そこからは気が気でなくて逐一報告を聞きながら、「今日ちょっとヤバかったです笑」なメッセージも届いたが最終的には何事もなく旅は終了した

日本横断に成功した後輩が帰ってきた際の喜びと安堵は忘れられない、何かあったら俺のせいだと思ってすげー怖かった。

 

「次は自転車で行きますよ」とか言い出して、それは何とか止めることが出来たけど

賢い人って何で無謀なことをしたがるんだろう

大人になったら旅は出来ないですね」と何時だったか後輩は言ってたけど人を心配させてちゃ「旅」とは言えないのかもしれないと少し思う

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