けものフレンズの一話を見て、大変素晴らしいアニメに出会えたと思ったのでメモしておく。
立派な深夜アニメだと思って見れば、たしかにキャラの見た目が3Dで安っぽい。
だが、ニコ動のMMDだと思えば大変に良い出来じゃないか。立派なアニメは京アニでも動画工房でも、そんなところに任せておけば良い。自分が求めていたのは素朴だが味わい深い同人アニメに対する出会いのようなものなんだよ!
このアニメでは、サバンナの広大な空の下に、人間のケモノがほとんど二人っきり。
一方自分はオフィスで残業して納期に追われて満員電車で帰ってきたんだ。
だから画面が寂しいなんて言わせない。
オフィスとは正反対の世界。水平線まで続く荒涼とした大地を思い出すような、自然あふれる開放的な世界観。ケモノたちはどこまでも自由!
このアニメのストーリーには出会い、キャラ紹介、小さな冒険、困難の克服、別れ(そして再び出会い)という基本ツボをしっかり押さえてる。
まるで、NHK教育でやっている子供向けアニメを見ているような安心感がある。
ただし、作中の中で「この世界の掟は、自分の身は自分で守ること」というセリフを聞いて、職場を思い出した。
人をだますことを知らないような純朴で単純なキャラたち。まさにケモノ。だが、それでいい。仕事に疲れて帰ってきたら、アニメのなかでは駆け引きも勝負も交渉も見たくない。ただ、優しい単純さを見てアタマを使わずにアニメをボケーっとみたい。それを満たしてくれるのが『けものフレンズ』だ。
ところで、主人公の人間はなにも知らない、しかしカバンを持っている。きっとあのカバンには「文明」が詰まっているに違いない。プロメテウスが人間に火を与え、そして人間が文明でサバンナを圧倒し、世界の支配者になる。そんなストーリーにはなってほしくないぞ。