2016-10-20

長時間労働法律規制されている2つの理由

長時間労働有害性は2つある。一つ目は労働者健康に関する悪影響で、これは自明から説明割愛する。

二つ目はあまり言及されることがないが、産業競争政策のものだ。いわゆるブラック企業などの長時間労働強制する会社は、ライバルに対して優位に競争することができるので、企業はできるだけ長時間労働を求めることになる。その結果社会としての望ましい水準より過労に傾く。日本のように、特に三十代以上で転職が難しく、労働市場での交渉力が企業側に偏っている場合は、特に状況は深刻だ。

実際、長時間労働が発生するのは、労働力が決定的に重要役割を果たす第三次産業に多い。プログラマーレストランスタッフクリエイターなどは、労働投入に伴って生産量が増えるため、経営者には、できるだけ労働投入を増やし競争に勝とうとするインセンティブが働いている。経営者モラルを求めたとしても、その結果ライバルとの競争に負けることになるので、経営者が聞き入れる可能性は低い。

この状況を変えるためには、罰則を伴う法律での規制有効だ。モラル法律の違いは、モラルは個々の企業に働くので、ブラックになるのを止めた企業一方的競争に不利になるのに対し、法律ライバルも含めて産業全体の競争環境を変えるので、経営者の行動を変えやすい、ということがあげられる。もちろん、罰則のもの有効抑止力となる。

  • 法律作って罰則化しても、今度は法の及ばない海外の企業との競争力で差が出てしまうのを嫌うグローバル企業の経営者に受け入れて貰うのは難しいだろうな。

    • 外国との競争に関連して2点。 1. 例にあげた、飲食、IT(おもにエンタープライズ向け)、広告は、国内の市場を対象にしており、日本の労働法制が及ばない企業との競争はしていな...

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