神保町のT書店でどうしようもない議論と詩があんまり載ってない雑誌を買ってしまったときは、父親が用意してくれたアルバイト先での昼休みで晴れていた。
昼食を食べずに、いろいろな書店を巡り本を読んでいた。
T書店の入ろうとしたとき、入り口のガラスに自分の姿全体が反射して見えたのだけど、とてもひどいものだった。
全てがひどい。
たまに全体の姿を外で見るけど、ダメージはいつも相当なものだ。
そして、大量に平積みになっていたから例の雑誌を買ってしまった。
不毛なだけならいいが、激しく怒りを感じる文があった。
最初は彼の文章の最初は、つらつらとまぁどうでもいいよねという他と変わらないどうしようもない分析やら歴史やらの文章である。
そのあとがひどかった。
本人は自分は「自己陶酔型女装」だという始まりから自慢話が始まるのだ。
本人は開き直って自慢話をしているのかもしれない。
他者から可愛いと言われて嬉しいとか、容姿で評価されて嬉しいとか、教授にも大半の女の子よりも容姿がいいと指摘されたとか、ミスコンで優勝したとか、今の容姿で整形しなくても可愛いから幸運とか、それを武器にしているとか、総代だったけど振袖と袴で学位授与式参加してツイッターで話題になって嬉しいとか。
極め付けは、自分はマンガみたいな生き方をしていたとか書いてある。
腹が立った。
高野悦子の文庫に自分の容姿は可愛い方だみたいなことが書いてあってそれはそれで腹が立った。
しかし、今回はそれ以上に腹が立った。
男の著者が自分はイケメンだと書いていたらイラつくが、そこまででもない。いや、やはりとても腹がたつ。
でもそれ以上に、やはり同性の「可愛い」ということに対して自分は苦痛を感じたのだろう。
やつは人文系で、頭が良いらしい。それは当たり前だ。自分が通っている大学に比べたらずっと頭が良い。
そして美しさまで持っている。
見ていて苦しい。
もしかして: あしやまひろこさん?