月額400円で、雑誌をあまり読まないような人でもタイトルくらいは知っているメジャー誌が読み放題。コンビニや中吊り広告でチラ見するような雑誌が揃っている。
圧縮技術が上等なのか、電電公社よろしく鯖にちゃんとカネをかけているのか、コンテンツのダウンロードはスムーズだ。
私は普段雑誌を読まない。なぜ読まなくなったかは忘れた。それくらい読んでいない。
どれを読むべきか分からなかったので、とりあえず『IT』にカテゴライズされている雑誌(週アス、日経PC21、Get Navi)を読んでみた。
私「……なんですの、これ?」
ググれば分かることが誌面に踊っている。これでカネを取るのか?
ネットが普及し始めた頃、真っ先に廃刊をキメたのは皮肉なことにパソコン雑誌だった。
広く浅い情報を扱う雑誌は、おそらく最も情報化の割りを食った媒体だろう。浅い知識ならネットで手に入る。
雑誌業界も自らの弱点ことは重々承知のようだった。専門性の高いムックを出したり、女性誌が豪華な付録をつけ始めた時期は、ちょうどインターネットの成熟期と重なる。
月額400円というと、月に1~2冊雑誌を読めば元が取れる額だ。たぶんこのくらいの頻度で雑誌を買う層がターゲットなのだ。
もっと雑誌にカネを落とすユーザーに訴求できればそれに越したことはない。
日経のように強気の価格設定で電子版を配信すれば良いのだ。毎月2,000円分の雑誌を買っているユーザーなら、月額1,000円でも電子版を買ってくれるだろう。
そうしないのはできないからだ。もう、雑誌を月に何冊も買う人間はほとんどいないのだろう。
ハナから雑誌を読まない人間は月額400円だろうと40円だろうとカネは落とさない。ググる。
消去法で残ったのが『ネットを使いこなせず、毎月400円強は雑誌にカネを落とすユーザー』なのだ。
かつて、はてな村にいたコンビニ店長は『エロ本を買うのはオッサンばかりだった』と書いていた。
きっと、dマガジンに毎月400円払うのもこうしたオッサン、あるいはこうしたオッサン程度のリテラシーしか持っていない人間だ。