今回の映画、ゴジラが出てくる所は良かった。ゴジラが出てくる所「は」。
まず最初。
いきなり巨大生物の化石?みたいなのが出てくる。これはまぁいい。「おおこいつがゴジラのご先祖か!」とか思う。
そこから生まれた何かでかいものが日本に向かってる描写がある。これもいい。
残念。違うのだ。
いきなり15年後に飛ぶ。そして、本当はあの日(原発でのお涙頂戴)何があったのか、が明かされる。
違うのだ。
代わりに出てくるのはでっかい虫。お前誰。
誰だお前。誰だこのエイリアンとスターシップトゥルーパーズのバグを掛け合わせて悪いとこ取りしたようなのは。
虫はアメリカに向かう。どうやら日本に現れて捕獲されてたのはオスで、アメリカにメスが居るらしい。
そしてハワイで出てくるゴジラ。よっしゃ! 大破壊や!と思うも、なんとも消化不良に終わる。
専門家の芹沢博士は意味ありげにあちこちで独白を入れるだけで基本的に何もしない。
「核を使うのはいけない」と言って米海軍の提督にヒロシマの核爆発で止まった懐中時計を見せるが、提督はどっちにしろ核を使うので全く意味が無い。
ちなみに「大事にされている反核のメッセージ」らしきものはここだけ。
そう、一番ナンセンスなのは、ゴジラや虫相手に核を使って倒す気なのだ。
虫は原子力がエネルギー源らしいし、ゴジラはもちろん(この映画での設定はどうあれ)「水爆大怪獣」だ。
核で倒せる訳が無い。そこをもう、こいつらは、台無しにしやがってしやがっておのれおのれ。
雌の虫の卵はラスベガス近郊の核関係の保存施設にしまってあるらしいので、そこを確認しに一部隊が派遣される。
大仰に一個一個部屋を確認していくも、何も起きないんだが、その虫の卵が入っていた所を開けると奥にでかい穴が開いてて、向こうにラスベガスを破壊する虫が見える。
あほか。気づけよ。
お前ら脳みそ無いんか。
軍隊なのに、何かこう虫が襲ってきたとか、外から連絡無いんか。ほんまに虫がよすぎる。
んで虫やゴジラをおびき寄せる為に核弾頭で釣るんだが(ここらへんでもう楽しみはこの後にゴジラが出てくるであろう事だけ)
虫が襲ってきて「お前らに任せておけるかちんたらすんな」とばかりに持ってってくれる。サンフランシスコに。
虫が出すEMPパルスで核爆弾が遠隔で起動できないらしく、主人公達が手動で起動する為に落下傘降下する。割りとどうでもいい。
サンフランシスコが虫に破壊される。これも主人公の奥さんとか子供と主人公が連絡がつかなくなるくらいで本当にどうでもいい。
そう、シスコを灰燼に帰すのは虫なのだ。ゴジラじゃない。ほんまにもうほんまにもう(略)
ここまで来てやっと、本当にやっと、ゴジラと虫が戦う。
この映画の見せ所はここだけなんで、存分に堪能して欲しい。その気がまだ残っていたら。