2014-05-12

年収1000万だが死にたい

2年前は、月収10万円だった。

スーパーで買う「鳥胸肉1キロ380円」がメインのタンパク源で、

もやし豆腐麺類を中心とした食材自炊をして凌いでいた。

服はユニクロで最低限のものを買い、遊びにも行かない。

飲みに行くなんて自殺行為

1食50円生活なので、100円のコーヒーすらも贅沢品。

出かけると「モノ」が欲しくなって精神衛生上良くないので、

だいたい家の中で過ごし、わずかに入る在宅収入で過ごす。

その頃、少ない友達たちの誘いを全て断り、

家の中でPCに向かってひたすら作業をしていた。

悶々とした感情を抱えながら、カーテンを締めきった部屋の中で、

「負けねえ、負けねえ」そう呟いていた。

そうしているうちに、運良くイラスト仕事が大量に入り、

結果的年収1000万規模になることになる。

嬉しいのは嬉しいのだが、更に外に出れなくなった。

日中部屋の中で液晶タブレットに向かいイラストを描く日々。

複数社の依頼を請け負ってしまい、締め切りに遅れた時はクライアントから怒りの電話が鳴り響く。

怒りのメールが複数の会社から来たときは布団から出れなくなった。

そしてわずかに残った友人の誘いをひたすら断り続け、

「今なんだ。今は仕事以外は捨てるんだ。俺は今、仕事をしなくてどうする!」と自分自身を追い込み、

親しい友人とは誰とも会うこともなく、顔を見たこともないメールの向こうのクライアントへ向け、絵を描きまくった。

そして全てのプロジェクト完了した。

まだ全ては入金されていないが、年収100万程度だったのが1000万規模になった。

ようやく終わった。だが、異様にむなしい。

友だち何人かにメールをしたが、そのうち2人もアドレスが変わっていた。

1人会って軽くメシを食べたのだが、何かうまく会話ができなかった。

それ以上の薄い関係だった連中には、もはや数年ぶりにメールを送る度胸がない。

カネは入った。

カネが願いだったのか? 俺はカネの為だけに頑張っていたのか。

稼いだカネをどうやって使ったらいいかわからなかった。

一緒に稼いだ事を祝って焼き肉を食べる仲間たちがいなかった。

から、俺は学生の頃にように松屋へ行き、ひとりで牛丼を食べた。

年収1000万。だがむなしい。次回の確定申告で4割近く取られるだろう。

そして不安しか残っていない。

今は仕事が切れ目の時で、これから仕事が続くかわからなすぎて不安だ。

デザインなんて若いのがどんどん安く請け負うだろう。

中国ベトナムでもイラスト請け負いが増えてると聞く。

この増えた年収のぶん、俺は大切なものを無くしていたのかもしれない。

facebookを見ると、仲間とフットサルをしている友人が笑っていた。

  • 妄想か、なりすましかわからんけど、売れっ子のイラストレーターでも年収1000万円いかないよ。 でも、月収10万円の人は腐る程しってる。デザイン系は最高峰の建築家ですらそんなもん...

  • お前はまだまだ大丈夫だ。 友達を飯に誘える時点で十分健常だ。 本当に病んでたらそんなこととても出来ない。 健常なんだからまだまだ何とでもできる。 ガンバ大阪

  • おまえさんが手にした1000万円(3割は国に取られるが)は努力の結果であって、 失った者に対する対価ではないと思う。 イラストレーター目指しながら友達と付き合いもできたろうし、 ...

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