civBG(『シドマイヤーズ シヴィライゼーション:ボードゲーム』の略称。日本語版公式サイトはこちら:http://hobbyjapan.co.jp/civ/)において「自分が勝つ可能性は消えたが、他の誰かを勝てなくさせることは出来る」という状況がしばしば発生するのは、プレー経験がある方なら大抵同意して貰えるものと思う。
実際には大小様々な例があるが、最も典型的かつ極端で、かつ厄介なのは以下のような状況だろう。
A,B,C,Dの4人で対戦。
Aは軍備を放棄して経済勝利一直線。手に入れた文化も全て活版印刷でコインに変換し、文化カードも一切引かないという戦略を採る。
それを見たBがAの勝利を阻止すべく、Bの首都に軍隊を差し向ける。
ところがAは一切軍備を行わず、他のプレーヤーCとDに「このまま私は一切軍備をしない。でもこのままだと私の首都が落とされて我々は全員敗北する。それが嫌なら私を全力で支援しろ」と要請する。
何もしないとCとDは負けてしまうので、仕方なくAに文化カードや資源を送り続けて支援する。
その結果、支援が足りて耐えたために全力疾走したお陰でAが経済勝利した。
A「わーい!勝ったー!」
いや、少し質問を変えよう。「CとDにとって、このゲームは楽しいだろうか?」
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自分がAを支援すればBが勝てなくなりAが勝つ。支援しなければAが勝てなくなりBが勝つ。
また、支援しようがしまいが、全力疾走しているAより早く勝利条件を達成するのは困難であり、自分は勝てない。
出来ることは、ただ「敗者が誰になるかを選ぶ」だけである(この場合は、結果として勝者も選んでいるが)。
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この問題はかなり根深い。少なくとも
という条件がある限り、この状況は容易には覆らないように思える。
勿論「そういう自分勝手なのは禁止な!」という紳士協定を結ぶ、などといった対策が出来ないことはない。
しかし、このゲームは大なり小なり「他人は放置して全力疾走したほうが早い」という側面があるため、結局は程度問題となり、根本的な解決にはならない。
全員が他人を放置して全力疾走すればいい?それも一案だ。しかしそれではただのソロプレー合戦になってしまう。対人戦での醍醐味である、他人とのインタラクションが激減してしまう。
一体どうすればいいのだろうか?
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ここで筆者が提案するのは「チーム戦の導入」である。
これだけで、前述したような「敗者選択」をさせられることはなくなる。
Aとチームを組むCは全力で支援するのが自らの勝利に繋がるので意味がある(※1)し、Dは当然Aを支援しない(むしろBを支援する)。
また、チームを跨いだ交渉が無くなってしまうかというと、そうでもないだろう。条件次第では取引は成立し得る(※2)。
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「敗者選択」しか出来なくなってプレーを続ける時間は、私は楽しくないと思う。
ただでさえ1ゲームが長時間になりがちなcivBGでは尚更である。
もし、敗者選択に辟易した方がいるのであれば、この「チーム戦」のアイデアを導入してみることを提案する。
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※1:「サポートプレーを強制されるのは楽しくない!」という意見もあろうかと思うが、それはチームとして同意を取ればいい話であって、もしチームとして同意を取れないような相手が一緒に卓を囲んでいるのであれば、多分チーム戦をやろうが個人戦をやろうがこの問題は回避出来ない。
※2:そもそも、普段は「全員が敵」という条件下でも取引が成立しているわけで、チーム戦になったらからといっていきなり「有り得ない選択肢」に成り下がるわけではないだろう(優先度は落ちるかも知れないが)。
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追記:誤解の余地があったようなので補足。冒頭の例において、Aは「交渉の余地が無いプレーヤー」だとする。すなわち、交渉材料には「自身の敗北回避」しか出さず、自身の勝利を遅くする交渉には一切応じないプレーヤーだとする。
こういう人がネット麻雀でオーラス役満上がり以外勝利不可能な状況でキレ落ちするのかなという感想 複数人で争うゲームなら何よりも優先すべきは自分が1位をとることで どう考え...