地元の図書館が、小さい郊外の市立にしてはわりと蔵書数も多くて、リクエスト購入もわりと通って助かってるんだけど、最近雑誌やビデオ類の盗難が多くなったらしくてカウンターに言って書庫から出してもらう方式になってしまい、オープンな棚から自由に手に取ることができなくなった。図書館内に入ると汚損した本を陳列してあって、とにかくマナー悪い利用者に困っているらしい。俺だって図書館の使い勝手が悪くなって困っている。
さて、表題の件は父の話。
よく本を読む父は小難しい本をよく借りる。ベストセラー小説と違い、これ一度も貸出されてなかった新品書籍だろうな、と思えるものも多い。彼はリクエスト購入もよく申し込むので、その場合の借りてきた本は確実に新品ですね。
その父の本の読み方なんだけど、新品っぽい本の場合、読み始める前に、表紙から数ページぶんを指でつまみ、本の綴じてある部分を内側から強くこすり、開き癖をつける。さすがに折り目はつけない。次に裏表紙から、同じことをやる。それを少しずつ繰りかえして、本が軽くふわっと開くような感じ、読むときに綴じの部分がよく開いて、見開きページの中央あたりも読みやすいような癖がつく。
俺はそれマナー違反じゃないだろうか、と思う。このことについて父をよく非難するのだけど、教養豊かな常識人たる自負をもつ彼は、「本はこうして読むものだ。」と言う。わかるっちゃわかるし、俺だって自分で買った本はそうやって読むよ。参考書や教則本なんて開き癖どころか背表紙を割って触らなくても開きっぱなしになるようにしたりするし、片手で読みたいときは癖がついてるほうが読みやすい。
けど図書館の本である。癖づけは本にダメージを与えてると言えるのではないか。本が傷むスピードをあげているんではないか。
彼にはこんな主張がある。「本というのは正しく開き癖をつけてやらないといけないんだ。図書館のソフトカバーのベストセラー小説なんか見てみろ、背表紙の近くが同じ方向にみにくく曲がってるだろ。表紙から一枚ずつめいっぱい引っ張りながら広げて読んで癖をつける奴がいるから一方に傾いて曲がるんだよ。そうならないために、最初に表紙と裏表紙の両方からバランスよく癖をつけておくのが正しい読み方なんだ。一度正しい癖をつけておけば変な癖がつかなくなる。」
うん。
言ってることはわかるけど。
理屈はわかるんだけども、なんかダメなような気がする。自分のモノでないのに故意に癖をつけることに抵抗がある。故意でなく、よくない癖がつくのは、仕方ないように思う。そりゃ、図書館の本を風呂場に持ち込んで半身浴とか、トイレに置いておいて便しながら読むとか、ラインマーカー引いたり書き込みしたり醤油こぼしたり千切り取ったりするよりはましだけど、どうにも釈然としない。俺は図書館の本はあまり開きすぎないよう、癖をつけないよう、両手でしっかり支えて読む。公共の資産をタダで利用させてもらうためのコストみたいなものだと思って納得している。
そんなの聞いたことないな。 というか普通に読んでたら開きグセなんか付かないだろ。 読書家であっても愛書家ではない、ってやつか。
図書館の本に変な癖がついてるの見たことないですか?
あんま関係ないけど、そもそも図書館で本を借りるという習慣が全くない俺は好きなように読めばいいじゃんとしか思えない。 読みたい本は全部買うし、そもそも図書館に俺の読みたい...
公共財の価値を損ねることには抵抗があります。父は貧乏ではないですが、読む本を全て買っていたら本棚の整理頻度(処分)が高くなりすぎてめんどうだろうし、やはり節約の意味も...
>>うちの父は新品の本に開き癖をつける これ、やった方がいいのかと思ってる。綺麗にできるのであれば。 背に見にくい型が付くならば、本に対するダメージがでかいと思うので。...
図書館の本にバランス良い開き癖をつける父への擁護とも受け取れますね。ありがとうございます(?)。やはり偏った癖のほうが「ダメージ」の印象につながるということでしょうか...