就活の現場に行くと学生たちが日経新聞を読んでいるのを見かける。
日経新聞は確かに面白い。記事や内容だけでなくステータスになる、スタバでコーヒーを飲むのと同義のステータスが得られる。
日経新聞には、就活生の望む就活情報について一般論しか書かれていないからだ。
深く切り込んだ論説を熟読しなければ就活で全く役に立たない。
実際はただの営業トークである。
ただ、見方を変えれば一つの営業手法として見る事ができるのではないか、とは考えても良いが深読みは無用である。
説明会や選考で購読を尋ねる行為に意味はないという事だけはここに述べて置く。
そもそも、購読は彼らのノルマでもないし極端な話、選考に全く関係がないと言っていい。
また日経新聞を購読したからといって何がしかの知識が増えるのかというと、他の四大新聞の社会面や社説をじっくり読む方がよっぽどメリットがあると言える。
というのも日経新聞には日常的な疑問や日常的な事件について(※1)、殆ど全く触れないのである。
朝日毎日や読売などの新聞媒体は日々のニュースだけでなく、日常のありふれた場所での発見を教えてくれるが、日経新聞にはそれがない。
すなわち日経は他紙に比べると日常のボキャブラリーに乏しいのである。
一方、経済面を見ると流石日本経済を専門とする日経新聞ならではといえよう。
なるほど日経新聞を読むメリットは、あたかも経済通になったかのような気分になれる、ということであれば大いにタメになる読み物だろう。
しかしながら、日経新聞を購読する本当の意味を理解しなければ学生たちは読めば、それが選考に左右されるとか会社にアウトプットできると勘違いするだけだ。
先に述べたように、日経新聞は基本的な事柄しか書かれていない。
方法論としては、必ず日経新聞でなければならない、といった強迫観念を捨て去る事が肝要なのだ。
日経新聞をただの読み物として見る、そうすればこれまで見えなかった、あるいは理解出来なかった日経新聞が問いたかった事が自ずと分かるようになるだろう。
観方を変える事が、日経新聞を新たな読み物として見ることが出来、営業トークでしかないものが実はこういう意図(※2)があったのだと理解出来るのである。
※1 筆者に多少の誤解がある事を考慮して頂きたい。
やっぱり日経産業新聞とか日刊工業新聞のほうがいいのでは。