大多数の人は星空を見て、単なる光の点の集まりだとしか認識しない。もしくは単なる「視界の一部」として特に意識もせずスルーする。
しかしある人は星空の点と点の繋がりから乙女や蟹の形状を見出す。
それ以外にも、雲の形が何かの生き物に見えてくる、天井のシミが死別した誰それの顔に見えてくる、路面表示の連続した線をはみ出すと負けゲーム、などをついやってしまう。
暇を持て余した子供時代、これらの規則性を見つけ出すゲームは誰しもが経験したことのあることだと思う。
何の得にもならない事だとしても「誰も気づいていないかもしれないが、ここには一定のパターン、類似性が存在している!」と規則性を自分で発見できるのは快感だ。そしてこれは人として誰もが持っている能力だ。
そして歳を重ねるにつれ、身の回りは受験、恋愛、人間関係、仕事などの比重が大きくなるが、徐々にそこにも自分なりの規則性を見出し、他人の攻略法も取り入れてみて、試行錯誤を経て自分に有利な攻略法を見つけて結果を出す。
その経験則を持っていれば、こういう行動をすれば結果はだいたい先の見通しがつく。そのある程度見通しが立つということが更に行動力に繋がる。
何が言いたいのかというと、自信を持って楽しく人生を攻略するのならば、一定の規則性を「自分の頭で」見つけ出すプロセスが重要だということ。
自信というのは自分の自発的な行動から得た規則性、行動パターンを持っているということだ。
そこで得た規則性は誰かが既に見つけているのかもしれない。それも大昔に、多くの人が。
それでもいい。既出だとしても、自分で規則性を見つけ出したプロセスが重要なのだ。
刀匠が弟子に一子相伝の技術を手取り足取り教えるなんてことはせず、自分の所作を弟子に観察させて勝手にメソッドを学び取らせるスタイルをとっているのは、「自分の頭で」見つけ出すプロセスを重んじているからだと思う。
俺も子供ができたら、子供の行動を先取りして手取り足取り教えるなんてことはせず、単に俺の行動を黙って見せて自然に気づかせようと思う。それが「背中で語る」ということだ。
安易に自己啓発本なんか読んでも行動には繋がらないのはそういうこと。規則性を知ることが重要なのではなく、規則性を見出した経験が重要なのである。
抽象化という言葉があるので、これを使いましょう。