2012-09-25

業界3位(だった)某社のユーウツ

トップ2社(仮にA社、B社)と3位以下が離れていた業界で、3位のC社に20年ほど前に入社

当時の利益幅だと、C社の利益なんか、A社B社の半分にも満たなかった。

しかし、C社のワンマン経営者の手腕もあり、C社は高収益体質を磨き上げ、

利益額ではA社B社に匹敵するようになった。

2011年度決算では、C社は売上高ではA社B社の7割程度だが、

純利益ではA社、B社に肉薄している。

で、2012年度決算予想では、C社は「目立たないように」A社B社の

利益予想額と横並びで利益予想を出したが、アナリストの間では

「2012年度決算では、ほぼ間違いなく、C社が利益業界首位になる」と予測されている。

しかし、これはC社にとっては「ユーウツなのだ

もちろんC社も上場企業から利益極大化のインセンティブはあるのだが、

ホンネのところでは、

「A社B社に、もうちょっと頑張って貰って、

 利益首位の座をA社なりB社なりが保って欲しい」と考えている節がある。

なぜ某社は利益1位に「ホンネの部分」でなりたくないのか?

業界1位グループのA社B社は

業界オピニオンリーダー」として、しばしトップ日経紙面で発言している。

また、日経主催し、業界と役所が参加するようなシンポジウムセミナーには、

必ずA社B社のトップ基調講演している。

そして、監督官庁主催する政府審議会には、A社B社のトップもしくは幹部級(常務取締役●●本部長

とかが列席している。

永年、「業界オピニオンリーダー」を自認していたA社B社は、

トップがそういう「公的な場」に出ていくことに慣れているし、

広報部だか秘書室だか、そういう場でトップスピーチするためのゴーストライター部署がある。

また、トップがそういう場にしばし行くために、社用車とか接待クラブの類も充実している。

しかし、「業界オピニオンリーダー」の地位に就いたことがないC社の場合

トップがそういう「公の場」でスピーチしようにも、バックスタッフを用意していない。

あるいは、トップが公的会合(業界の会合、役所系の会合)にしばし呼ばれても、

社用車が1台しかいから、やり繰りが大変である

そして、一番の問題は、C社のワンマントップが、

そういう「業界の付き合い、役所の付き合いが大嫌い」という点にある。

こればかりは人間性格から、どうしようもない。

しかし、(売上は兎も角)利益でA社B社を抜いてしまうと、

周囲は「トップ企業」としての振る舞いを求めるようになる。

業界トップとしての言動」を求められ、

業界団体にも顔を出せ」「政府審議会にも協力しろ」「政治家とも付き合え」となっていく。

正直、C社トップは、そういう煩わしいことが大嫌いなのである

世の中には、とかく「業界トップの座にいたい、それで要職歴任して、あわよくば勲章を貰いたい」という

経営者もいて、そういう人の中には「粉飾してでも、売上トップを死守する」なんてのもいたりする。

A社B社トップがそういう人物だ、とは決して言わないが、

売上額の大小はどうでもいい、利益額こそが問題だ」というC社トップから見れば、

「A社やB社は、なんで利益率があんなに低いんだろう?

 売上維持のために利益率に目を瞑っているんだろうか?」と不思議に思えているらしい。

なんかとりとめのない文章になってしまったが、要は

業界トップになると、虚飾な付き合い、雑務が増えてしまう」ので、

「ホンネでは業界トップになりたくない」という奇特経営者もいる、という話。

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