2023-11-04

ゴジラ観てきた

核心には触れないようにするけど、一応ネタバレ注意で。


何回「やったか?!」言えば気が済むんや。

まあそれはともかく、ゴジラ怖かったー。

太平洋戦争にうなされた悪夢みたいな存在感が、主人公トラウマリンクしてて物語舞台装置としても完成度が高かった。

過去ゴジラは「ダメージを受けない」であったのにたいして、今度のゴジラは「ダメージを受けてもすぐに回復する」タイプの不死身ぶりで、輪郭変わるほどの損傷を受けても秒で再生する。非現実的再生速度や、最後のシーンも含めて存在感怪獣ではなくホラー映画怪物である過去ゴジラ理不尽に怒り狂った存在であるのに対して、今回のゴジラは怒ってるというより人類に対して悪意や底意を持っている雰囲気がある。ヒグマによる獣害においてヒグマの行動にある種の異常性を感じることがあるように、今度のゴジラには何か異常性のようなものがある。破壊欲だけでなく、獲物への執着心があるのだ。

冒頭は完全にジュラシックパークだったが、後になってからもとにかく口に咥えられるもの戦闘機でも船でも電車でもブンブン投げる。そいやそいやとザンギエフ並みに投げる。投げゴジラという戦法が確立してしまいそうなほど投げる。

CG節約するためなのか、投げるシーンを割愛しがちで投げられた物がいきなり飛んでくるシーンからなので、取り敢えず何かが飛んで来るのがゴジラ挨拶みたいになっている。

放射熱線はぶっ放すまでのシーケンスいまいち模型っぽい部分はあったものの、破壊力の描写過去一で怖い。

シン・ゴジラブレスは放射時間が長くて撃ってる間ずーっと被害が出ているが放射が終わったら静まるのに対して、

今回のブレス原爆メタファーなのか攻撃は一瞬で、その後爆風が津波のように周囲を破壊していく形。

描写はされなかったけど、銀座であれ撃ったのなら皇居霞が関永田町も粉砕されたのだろうと思う。(GHQ本部銀座のすぐ近くなので吹っ飛んだはずなのだが……)

なので、熱線が当たらなくても怖い。とはいえ、最終決戦での熱線はどこ向けて撃っとんのやという感はあり、少々ご都合主義的な印象はあった。

主人公は、罪悪感はわからんでもないけど視聴者としては整備兵への腹立ちが先に立つ。止まってる飛行機で機銃撃つくらい整備兵でも出来るやろが。命令系統に属してる相手でもないだろうに、なに人にやらせといてキレとんのや。お前もなんもできなかったくせに。

あと気になった点としては、オッサン集会オッサン臭いダメさ加減が、美談っぽく描かれた事。「いっちょやるか」じゃない。

あと、民間のくせに駆逐艦戦闘機みたいな兵器ばんばん貸し出されて好き勝手できたこと。GHQソ連気にして占領軍動かせない割に、独立回復してない日本民間人に軍艦戦闘機引き渡して好き勝手やらせられるのはスジが通らんやろ。日本政府は空気以下で高官の一人すら出てこないし。

そんなこんなで、ちょっとご都合主義な部分が無いではなかったものの、主人公煩悶と、今なお続く戦争悪夢としてゴジラという位置けが秀逸であり、大変満足感の高い物語だった。

シン・ゴジラもRRRもダンジョンズアンドドラゴンズトップ・ガンも仮面ライダーも一回しか観に行かなかった自分だが、これは気が向いたらもう一回くらい観に行くかもしれない。(行かないかもしれない)

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