当方、30代後半・既婚。
1年前、愛着障害であると診断され、継続的に心療内科へ通院している。
愛着障害とは、ざっくりいうと、子どもの頃十分に愛情を受けることができなかったため、それをいま埋め合わせようとする行動をとる心理的傾向である。自分ではすごく意外だが。障害への理解のうえで、新書の岡田尊司「愛着障害」は大変分かりやすい。巻末に自己テストがついているが、自分はパキッと値が高く、不安傾向も、回避傾向もある「恐れ型」であった。
WISC-Ⅲという知能テストを受けたところ、総合はIQ108と平々凡々であった。言語性に比べ、動作性が低い傾向があった。ただ、動作性尺度の配列という項目が異常に高かった。これが高いと先読み能力に長けており、自分の場合、確かに人の期待に敏感に反応できる。だから仕事では重宝されており、まとめ役を受け持つことが多い。
期待に応えようと無理をすると、不安が高まり、渦は大きくなる。渦はさらに強いエネルギーを欲して、不確定な望ましい未来を先読みして、選択し始める。すると、また不安は高くなり、ドンドンと吸い込む力が強くなるのだ。
この渦は、その熱量の高い瞬間に素晴らしい世界をみせてくれるが、その時が過ぎると、恐ろしい虚しさがやってくる。そして、期待の矛先に自分を合わせるために、「この人用の自分」を次々と生み出す。その結果、どれが自分なのか、わからなくなってしまった。私には、可能性は無限だが、実現したいことは皆無だ。「意味がある」と「意味がない」が常に併走していて、葛藤に疲れてしまう。そして、自分のことが少しずつ信頼できず、嫌いになっていく。そして常にワーカホリック。
自分に少しでも好意のある女性をみつけると、容姿、年齢に関係なく、その心に一歩踏み込んで、都合の良い相手になろうとする。
そして、相手を鏡のようにみるのだ。相手に映る魅力的な自分をみて、満足する。熱量を貪りあって、自己の存在意義を感じる。
そしてことが終わると、また恐ろしい虚しさがやってくる。
そんな感じで、常に2〜3人の恋人がいる。
だが、年々、苦しさがましてきて、自分がバラバラになっているのを感じる。
そんななか、ひとりの女性を好きになった。
仕事の後輩。だが年齢差を全然感じない。仕事がものすごいスピードでできるけど、どうも自閉症的なところがあり、過去吃音があったんじゃないかという気がしている。普段は、凄く控えめそうな感じなのに、仕事の時は批判的でロジカルで、的確だ。意図せずか、きつい言葉を使う。見た目は可愛らしいが、陰がある感じだ。時折、生きづらそうな表現を、ポツリという。そこにシンパシーを感じる。
ぼくは、とにかく彼女のために、優しくしてあげたい、力になりたい、一緒にいたいという気持ちが強くて、でも、相手のATフィールドが厚くて、ギクシャクしてしまう。自然にしたいのに、それができない。ぼくも時々いたたまれなくて、冷たくしたりもする。それを恐ろしく後悔する。ただ、笑っているあなたがみたいだけなのに。仕事が邪魔だが、ぼくは仕事でしかコミュニケーションできない。
他の女の子と寝ながら、その子のことばかり考えて、自分は最低だと思う。常に代わりの人生を生かされている。
先日、その子に好きだと言った。
同時に、ぼくの不安の渦はこれまでになく大きく激しくなり、春の嵐がやってきた。
彼女の強力な内面エネルギーとぶつかり合って、エスパー大戦争みたいになってきた。
たぶんぼくが負けていて、バラバラにされそうだ。
とても苦しく、ふとした瞬間に飛び降りそうだ。でも、なんのために?
あなたのことを生涯忘れない。
大きく広げすぎた風呂敷を、閉じる時かもしれない。
忘れられなくて躊躇している。
塀の中に入って一生出てこないで欲しい。
社会システムと相いれないものだから ちゃんと治療しましょうね