医者:次の方、どうぞ。
医者:どんな症状なんだい?
患者:最近、ずっとある事ばかり考えて何も手につかないんです。
医者:ほう、ある事?
患者:はい、TVなどでも話題になってるあのOさんの事件についてです。
医者:なら何故Oさんの事件についてそんなに気になるのだい?
患者:はい。なんというか、衝撃だったんです。あの衝撃的なねつ造に加え、
あんなに堂々と記者会見をする強さ、そして
「くやしくて夜も眠れない日があった」と平気で言ってのけたあの言葉。
どれをとっても僕には衝撃的過ぎたんです!
患者:ダメなんです。世の中の見てはいけない部分を見た気がして。
僕はこの先、人生をまともに生きられる自信がなくなったのです。
医者:それは少し考えすぎだよ。
たまたまニュースになった事件で、有名な科学雑誌に載ってしまった不幸な事件だよ。
患者:いえ先生、僕が言ってるのはそこじゃないんです。もっと本質的なところなんです。
このあいだ、会社員である兄と事件について話しました。兄はこう言いました。
「会社なんて、ああいうのがゴロゴロいるからな。平気でうそをつく人間。
平気で手柄をねつ造する人間、奪う人間。しかも科学みたいに検証ができないし
検証をする集団がいるわけじゃない。そして奪う人間が残るのが会社なんだよ」
って。あんな人間がたくさんいて、しかも不正が暴かれないなんて、僕には耐えられません!
医者:確かに会社でも社内政治があったり、大変だって聞くけど、そればかりじゃないよ?
正しい人間もたくさんいるもんさ。
患者:だめなんです。僕、そういう不正が社内にあると考えただけで、許せなくてずっと眠れないんです!
これから社会に出なきゃならないのに、あんな人間を相手に仕事をするなんて、僕には到底できない。
まだ家に引きこもっていた方がましだと思うようになったんです!
医者:きみは少し不正に対して潔癖なところがあるのかもしれないね。
こう考えてごらん?
もしかしたらOさんの勘違いで、本当にS細胞を見てしまったと錯覚したのかもしれない。
それを周りに否定されて悲しくなった話も、ある意味の真実かもしれないよ?
真理がすべて科学だけにあるとは限らないからね。心の真実がまた別のところに存在する。
患者:先生の言う事は正論です。でも、違うんです。僕には「わかる」んです。
今回の事件も、R研が組織ぐるみでやるわけないんですよ。リスクとデメリットが多すぎる!
Oさんが、自己のために、これをやったんです。
医者:決めつけはよくないよ。真実なんて、誰にもわからないからさ。
誰が悪いかなんて、きみの思い込みかもしれないだろ?
きみの思い込みのせいで、誰かを傷つけるかもしれない。
患者:わかります。先生から見たら僕も誰かを傷つける「悪」になるかもしれないんですよね。
ただ、この世の中は、あまりに生きにくいことがこの事件でわかったんです。
医者:きみが少し疲れているのかもしれないね。今3回生?なら就職活動中なんだっけ?
患者:はい、時期的にはそうです。ただこの事件で全然はかどっていないのですが。
医者:ふむ、無理をしない程度にやりなさい。おくすりを出しておくから、これを飲んでがんばりなさい。
患者:ありがとうございます。言いたいことを吐き出したら、少しスッキリしました。
医者:そう、ここはR研の地下室。俺はS井。そしてきみは・・・
医者:よくぞ目が覚めた、O女史よ!
患者:あたしっ!あたしを思い出したッ!あたしはあたしだったッ!
医者:覚醒せよ、Oよ。この深い地下室から抜け出したら、これから徹底的にR研やマスコミたちと戦うぞ!
fin.
http://anond.hatelabo.jp/20140403085206 廃人になる気持ちがわかる。 この2週間、俺も増田廃人になってた。 俺の場合はブコメがどれだけ伸びるのかと、 ブコメでどう反応されるのかが楽し...
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