2011-09-24

男の娘セクシャルマイノリティの区分け

少々長くなりますのでご了承ください。


萌え属性男の娘という造語ができてから

創作世界だけに収まっていれば良かったものの、

それが現実世界にも派生したせいで更に混乱を招いた。


現実世界においては、かつて女装子と呼ばれていた人達に対して

新たなる代用語として充てられている感はあるが、

それでも依然として、

同性愛性同一性障害ニューハーフトランスジェンダー/トランスセクシャルインターセックス(両性具有者)

といったセクシャルマイノリティと混同している人が目立つ。

各々の定義は、とりあえず現在wikipediaに記載された定義が最もベターだと思う。

(実態と異なる部分も少なからずあるが、うまく区分けされまとめられているように思う)

ニューハーフという定義だけは曖昧で、厳密にはLGBTセクシャルマイノリティには当てはまらず、

性自認が男であろうと、恋愛対象が女性であろうと、性ホルモンを投与してなかろうと女性の恰好や仕草をして

それを売りにして"水商売風俗産業"に従事する者達を指す言葉なのだが、

近年は「将来的に女性として生きる事を目指していて、性ホルモンを投与していて見た目も女性らしく見える人」を指す言葉でもあるようなので、

広義的にLGBTセクシャルマイノリティに分類しても良いかと思っている。

仕事のためや趣味だけでニューハーフをやっている者もいるので、LGBTに含まれないニューハーフがいるのも事実だが。

ここで、その「LGBT」とは?

セクシャルマイノリティの区分けを大別して国際的に以下のように区分される。


L・・・レズビアン (女性同性愛者)

G・・・ゲイ (男性同性愛者)

B・・・バイセクシャル (両性愛者)

T・・・トランスジェンダー/トランスセクシャル (性別変更者)

セクシャルをセクシュアルと呼ぶ事もあるが、

どちらも同じsexualのカタカナ翻訳なのでどちらでも問題ない。



さて、現実世界男の娘定義されるようになったかつての女装子達。

この女装者という定義も実は微妙である

一般理念としては、「身体の性別が男性で、性同一性障害ではなく性ホルモンも投与しておらず、

ただのファションの一環としてや性的嗜好により女性の服装を纏ったり化粧をする者」という定義だと思う。

(宗教教育文化により異性装をする者は除く)

女装をした者で、恋愛対象が女性の人は「ノンケ男性女装者」

同性愛の人は「ゲイ男性女装者」という区分。


もちろん性同一性障害ともニューハーフとも異なる。

しかし中には性同一性障害の人で、女性化の一歩として女装から入る人もいる。

まだ性ホルモン等もやっていないので周りから見れば女装しか見えない。

本人に性自認を聞かない限り判断はできない。

そういう人は外観から見れば女装者だが、正しくは「性同一性障害トランスジェンダー」という区分けになる。


性同一性障害であろうとなかろうと、性ホルモン投与を始めたり、

身体の手術を行えば、「ニューハーフ」という区分になる。

(ここで、ニューハーフとは水商売風俗産業に従事する者という定義に当てはめれば、

ホルモン投与を開始しても、一般職だったり学生だったり無職であればニューハーフではなく

トランスジェンダー」という区分になる。広義的な意味ではニューハーフという区分でもいいかもしれない)

トランスジェンダーは、まだ完全に工事が終わってなく女性化の途中段階の人で

トランスセクシャルは性転換手術も完全に終えた人を指す。法律と性器の外観以外にこの2者に大きな違いはない。

(同じトランスジェンダーの中でも性ホルモン投与が始めたてで身体の肉付きがまだ女性的になっていない場合は見た目の違いは顕著な事も多い)


同性愛とは、その名の通り同性が恋愛や性の対象となること。

同性愛とは周りからの判断で決まるものではなく、本人の性自認によって委ねられる。


本人が「自分は男だ」と自認していて、かつ同性を好きになる事が同性愛

本人が性同一性障害などで「私は女だ」と認識していて男性を好きになる行為

本人にとっては「異性愛」。これらは「性的指向」と呼ばれるもので、

見た目や仕草に決まりがあるというわけではない。

冒頭で書いたように、女装を嗜んだり、女言葉を使ったりしていても

当事者が「自分は男だ」と自認した上で男性を好きになる事は同性愛であるし、

まだ見た目は男のままでも、性同一性障害であるなら異性愛という認識になる。

性同一性障害(男性場合)は、

「幼い頃から自身を女性だと思っていて、それまで男として暮らしてきてもいずれ女性の恰好をして性ホルモンや性転換などの治療を受け、

なおかつ24時間女性として暮らす事を望む者」という事が精神医学ガイドラインで決まっていて、恋愛対象が男か女かは特に問われない。

実状としては性同一性障害にも関わらず親との関係や環境上の理由により、男の姿のまま一生を全うする者もいるので

一概にどうと言えない。

しかしそういった者の中で男性恋愛対象の性同一性障害者は、周りからは「同性愛者の男性であると思われても仕方のない部分もある。

また、中には性同一性障害ではないのにも関わらず、自己判断で性ホルモンを投与したりいずれ手術に望む者もいる。

そういう者もトランスジェンダー/トランスセクシャルに分別されるが、精神医学上では「異性化願望症」と判断される。

ちなみに、性同一性障害当事者からは、そういった異性化願望症の当事者嫌悪/排他する傾向にある。



そして一番定義曖昧なのが、「男の娘


元々は、「普通男性なのだが見た目が美少女しか見えない少年

といった意味であるようなのだが、創作世界から現実世界派生し、

その意味は一人歩きして曖昧ものとなったように思う。

一部では、綺麗で女性らしい見た目であれば

性自認恋愛対象も関係なく一律に男の娘と呼ぶとする者もいるが、

こと現実世界においては同一視してはいけないという声もある。

男の娘という造語現実世界に当てはめると、

いったいどこまでを定義していいのか、当事者達にとっても悩ましい問題である


そもそも、創作世界においての萌えに限定しては混同してもいいのかもしれないが、

現実世界においてのセクシャルマイノリティ性的嗜好を一括りするのは禁忌であると思う。

なぜならば現実世界においてセクシャルマイノリティの分野はデリケートな問題であるからだ。

当事者間においては、趣味女装を嗜むだけの者にとってはニューハーフと同一視されたくない、

ニューハーフ性同一性障害トランスジェンダー/トランスセクシャル者にとっては、

趣味女装をしているだけの者と同一視されたくないというデリケートな思いがあるからである

メディアにおいては、ニューハーフ女装者を区別してはいたが

近年においては、ニューハーフ職に属していないトランスジェンダートランスセクシャルも大勢いる。

そういったニューハーフに属していないトランスジェンダー/トランスセクシャル女装少年を同一視して男の娘と区分してしまっている傾向はある。

たから見れば、どちらも同じく男性に生まれ女性の恰好をしたり生活をしている者と見えてしまうのだが、

それでも性同一性障害などで性ホルモン投与をしたり女性として暮らしている当事者と、ファッション趣味だけで女装を楽しんでいる者とは大きく異なる。例えこの両者が、見た目がすごく綺麗な女性である前提としても。

よって、「男の娘」という言葉現実世界では用いないべきか、

または現実世界でも「セクシャルマイノリティではないし女装もしてないが女性のような顔つきをした者」だけに限定して使う事が望ましい。

1歩譲って、女装を嗜む者も含んでもいいと思うが、現在現実世界メディア男の娘と区分されている者の中に、

性同一性障害者や、性ホルモン投与者などがいるなら、男の娘という区分からは外して分けて考えるべきなのだ。

そういう者はトランスジェンダーであり、いくら綺麗でも女装を嗜むだけの者とは異なる。

困った事に、セクシャルマイノリティ当事者の中でも、綺麗な女装男子といっしょになって「自分男の娘」だと呼称している者もいるということ。

見た目が綺麗で女性的だという褒め言葉的な称号の名の元には同じなのかもしれないが、

見方を変えれば、あなた方が性同一性障害で苦労しようが、性ホルモンや外科手術によって頑張ろうが、

世間にとってはいつまで経っても、ノンケだけどただ女装を嗜んでいる者達と同一視されてもしょうがないという事。

逆に言えば、ただファッションとして女装を楽しんでいる者も、セクシャルマイノリティ当事者といっしょになって男の娘だなんて言ってるうちは、

あなた方も、「男が好きなの?」「女として生きてくの?」「手術するの?」「性同一性障害なの?」と言われてもしょうがないという事。

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