2023-07-23

君たちはどう生きるかネタバレ考察感想

塔は「ご維新」の頃落ちてきたという。

その塔の主人となる大叔父は「本を読み過ぎておかしくなってしまった」という。

どんな本を読んだのだろうか?

 

「ご維新」の頃というのがいつか? というと、例えて言えば黒船がやって来たのが1853年だそうである

マルクスの「資本論」の初版1867年だそうだ。

叔父マルクスの「資本論」を読んだだろうか。おそらく読んだであろう。

 

君たちはどう生きるか」の主人公父親戦時下において軍需産業で儲ける男である

国教育を行っているであろう学校に対して300円寄付をして「学校なんて行かなくていい」とも言う。

 

叔父は塔の中で理想の世界を作ろうとしているのに対して、

父親はそれとは正反対の男かもしれない。

 

塔の中の「理想の世界」には連れてこられた存在がある。

である

ペリカンはどんなに羽ばたいてもその「世界から逃れることができない。

死を予期したペリカンは「ひとおもいに殺してくれ」と言う。

 

インコ大王と一緒に大叔父のいる場所に行ったモブインコ2匹は、

その場所を見て「ここは極楽ですか?」という。

しかし、そこは極楽などではなく、まさにいま崩壊しようとしているのである

そして、その世界の存続を願っているはずのインコ大王暴走によって崩壊してしまうのだ。

 

塔の世界は石の意思支配されていて、

石によって、世界を司ることができるのが大叔父血縁でなければならないとされている。

支配層が「血縁でなければならない」というのは、

例えば北朝鮮のような国であったり、もしくは江戸時代日本かもしれない。(あるいはもしかしたら戦争以前の天皇制かもしれない。)

そして、支配層が「血縁でなければならない」理想の世界は、崩壊するのである

 

君たちはどう生きるか」は広告を一切しなかった。

広告というのは、資本主義象徴のようなものかもしれないと考える。

北朝鮮旧ソ連のような共産社会主義的な「"理想"の世界崩壊する」が、かといって「資本主義象徴」を使用しないという選択をしたのだろう。

 

川上量生は一時期ジブリ所属していたが(宮崎駿に怒られているシーンの動画が有名だけれど)、

川上といえばニコニコ動画であり、今回はニコニコ出身といっていいだろう「米津玄師」の曲を主題歌として起用した。

ネット出身の米津を主題歌歌手として起用するというのも「資本主義象徴」を使用しないという選択かもしれない。

 

君たちはどう生きるか」はそういった作品であった。

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