2023-04-05

クリムゾン迷宮のここがすごい

主人公に謎のトラウマがない。

こういうデスゲーム系の作品って主人公が謎のトラウマとか過去とかコンプレックスとかを抱えていて、デスゲームを通してそれを克服するみたいな無駄にジメジメしたサブストーリーがあるものだけど別にそんなものはない。主人公普通おっさん。毎回思うんだが、読んでる奴らにそんなトラウマとか基本ないか別に感情移入する要素にならんだろ。

 

主人公バカじゃない。

こういうデスゲーム系の作品って主人公若い子なことも多いので読んでると「いや、そうはならんやろ」という行動を主人公たちが取って非常にイライラさせられることが多いんだけどこの作品では主人公は元大手証券会社勤務の40歳くらいのおっさんなので基本的に理知的な行動をとってくれるので非常に助かる。

 

敵が敵になる動機が単純。

こういうデスゲーム系の作品ってなぜか敵側に生まれつきのサイコパス殺人マシーン快楽殺人鬼がいたりしてそいつ敵役になるというなんのこっちゃという展開があるが、この作品では運営より配布される食糧に凶暴性、食欲が増進される薬が入っているから、という非常に単純な仕組みになっており飲み込みやすい。

 

ちゃんサバイバルしてる。

運営が用意した「サバイバル用品」「護身具」「食糧」「情報から主人公は「情報」を選びこのゲームの全貌を知ることで優位に立つわけだが、代償としてデスゲームで生き残るための文化的ツールを手にすることができない。しかし手に入れた「情報」を利用して原始的な石を割った槍や幼虫を焼いたもの利用し生き残りを図る。このあたりのバランス感覚に優れている。

 

登場人物が少ない。

デスゲーム系の作品にしては登場人物ゲーム参加者の9人だけで運営側は一切顔を見せないので覚えやすい。死ぬ奴はすぐ死ぬし。

 

作者が信用できる。

さない男貴志祐介作品ってだけで信用できる。貴志祐介日本ホラー小説大賞を「ISORA(後に映画化)」で佳作、「黒い家(後に映画化)」で大賞を受賞。他に映像化作品として「青い炎」「鍵のかかった部屋」「新世界より」「悪の教典」など、とにかく一発打てばはずれがない。

あと顔がめちゃくちゃ門野卓造に似てるところも信頼感がある。

 

 

個人的ネットフリックス韓国あたりがそのうちドラマ化すんじゃねーかなと思ってるんだけど、もう24年前の作品からさすがにねーか。

  • 古すぎる 確か女と洞窟でセックスする

    • 女の目がカメラになってるって設定だったけど セクロスしてるときは男の裸ばっか見せられるんかwと思ってた記憶

  • くやしい…!でも…感じちゃう!

  • 理知的な行動(運営側が送り込んできた謎の女とおセックスかましてるのをカメラに録画されていたことに気づいたあとも未練タラタラな上にアレコレ撮影されてしまったのでタレこみ...

  • 何度見てもクリムゾン・キングの宮殿に空目してしまう

  • 天使の囀りが一番好き

  • 昔は「一作一作が新しいものへのチャレンジ。だからシリーズ物は書かないんです」と言っていた気がするが、鍵のかかった部屋のアレはシリーズになったので「やっぱり無理だったか...

  • 動機の単純さとか、運営が顔出さないとことかは、むしろマイナスに思っちゃうんだよな。   本格とかいってたころの、舞台さえ整えば別にいいだろ、みたいな空気感じて。 俺は物語...

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