安倍首相が撃たれた数日前に母が亡くなった。元々、癌を患ってはいたけれど、本当に急だった。まだ70歳だった。
父が「小さなお葬式」に急いで電話しろと言うので連絡を取ると、「小さなお葬式」は地元の葬儀場を繋いでくれる単なる「ポータルサイト」だった。知らなかった…
繋いでもらった葬儀場のスタッフは、「次回、ご不幸がありましたら直接我々にご連絡くださいね。″小さなお葬式″を通すと手数料を取られますから。あ!あと、googleの評価もして頂けると助かりまぁす!」とコンガリ焼いた赤黒い顔から白い歯を覗かせていた。
一応、父の実家が浄土真宗だったが、お世話になっているお寺さんは特に無かったので、葬儀場でお坊さんを手配してもらった。
葬儀当日、お坊さんからやたらとパンフレットを貰った。フェリシモか?っていうくらい。
「身近な人が亡くなった時に」「千の風になって」「浄土真宗の基本」等など。
だいたい「ふーん」と流し読みをしてたのだが、気になる文章がいくつかあった。
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天国ってどこ?キリスト教の方には当たり前ですが、仏教ではふさわしくない言葉です。多分「歩行者天国?」とか「子ども天国?」(遊園地)の意味で言われるのでしょうか?
●「ご冥福をお祈りします」
電報会社の例文にもありますが、「冥」は「迷」のこと。しかも「暗い迷いの世界」を意味します。そこに「しあわせ」が有るのでしょうか?黄泉の国は穢れた国であり、昔から日本人はを穢れとして遠ざけてきました。私の身近な人、そして私もそんなに往くのでしょうか?仏さまの世界は浄土、清らかな世界を意味します。
●「故人も草葉の蔭でさぞかし喜んで⋯」
葬儀の「葬」という字は昔亡くなった人を低
い台に安置し、その上に草を掛けて葬ったことを表わす字です。だから草の蔭というのでしょう。私がいのち終わって往くところは仏さまの国です。筆葉の蔭はデンデンムシさんやコオロギさんにまかせしましょう。
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なんじゃこりゃ。
貰ったパンフレットは全部捨てた。
結局さ、伝統的な宗教だって信者増やしてなんぼよね。人の弱みや不幸に漬け込んでくる。初七日、四十九日、初盆、〇回忌をやりましょうっていうパンフレットや、仏壇や墓地のパンフレットが大量に送られてくるけれど、いつだって心の中で祈ればそれで良いと思う。私には宗教なんていらない。お坊さんの有難い言葉もいらない。
親戚の手前、四十九日だけやって、樹木葬で合祀してもらおうと考えている。
母は、自分の父母(私の祖父母)が創価学会員だったが、無宗教を貫き、よく「死んだら″無″だよね。生まれ変わりなんて無いし、天国も地獄も無いと思うわ。」とよく口にしていた。