だらけたキャプテンのやる気を出させるため、むしろ嫌いな男に対してウソの告白をして彼女のフリをする。
騙されているキャプテンに同情すると私の気持ちは分かってくれないのかと言い放つ。
パワプロ2018、こと、実況パワフルプロ野球2018の若菜初美。彼女は青春漫画か何かのシチュエーションに憧れてヒロインになることを望んでいる。この場合は、絶不調のキャプテンを支えて、やる気を取り戻させるマネージャーであろうか。
だが上の台詞からすると、恋は相手がいなければできず、その相手は同じ人間であるということを理解していないかのようである。普段はよく気がつくのに恋愛ごとではこうなってしまう。
最終的に先の愚痴がキャプテンの耳に入ってしまい、今更ながら罪悪感を抱くのだが、今度はそのキャプテンが何も知らないフリをして不振を克服する。そしてその態度に初美は本気で惚れてしまう。ウソが本当になってしまうのである。
シチュエーションに溺れていた初美が初めて人間を好きになった瞬間、と言えるのかもしれない。最初は主人公をモノにしようとして、弟を口実にしてデートに誘うなど猛アタックをしていなければ素直に祝福できるのだが…。
エースで優勝してメジャー入りする運命なのよ!と一目惚れした相手に言った挙げ句、俺はアンタの道具ではないと拒絶される。
パワメジャ2、こと、実況パワフルメジャーリーグ2のベッキー・フォックス。彼女もまた理想の恋に溺れて、惚れた相手に理想の恋を押し付けて傷つけてしまう。しかも普段は強引ながらコミュニケーション達者なのに、いざ一目惚れすると相手の顔や外見にばかり気を取られて、相手の性格や何を考えているかを察することがてんでできなくなってしまう。
もっともベッキーの場合、幸せの青い鳥はすぐそばにいたパターンであり、ベッキーを慰めた幼なじみの主人公から「顔にこだわらなければ、友達みたいに心が通じ合えるヤツもいると思う」と言われたことをきっかけに、かつての初恋を思い出すのである。
パワプロ2018