転売ヤーが危険なのは、在庫管理等のリスクを負わずに仲介手数料だけかすめ取っていることだ。手数料とはいってもそれは市場からすれば本来不要なものだ。転売ヤーが存在しなければ、余計な流通や手間は発生しない。例えばSwitchを転売ヤーが店頭で10個買ったとする。それをユーザーにメルカリで5割上乗せして売ったとする。この5割は何の意味がある?本来は客が店頭でその場で正規の値段で買えるのだ。それを単に横取りした上に余計な輸送の手間もかかっている。客にとっては時間と金の無駄だ。
また小売りにとっても迷惑だ。仮にSwitchの転売が半分しかできずに5個が返品となったとしよう。店側にとっては正規の値段なら売れるはずのものが5個も売れ残こり在庫リスクを背負うことになる。よけいな仲介業者のせいで客も小売りも迷惑する。ノー在庫の転売ヤーなら注文キャンセルだけでなので、本当に転売ヤーにだけゼロリスク。なのに本来の売り手はキャンセルされて売上げに繋がらない。
これがSwitchならいいが、例えば中小事業者ならどうか。転売ヤーが事業者から話題になった商品を大量に仕入れて売りさばこうとする。需要があると見込んだ事業者が沢山作るが、実は供給過多であった。そうするとどうなるのか。設備投資や人員を増加したのに無意味になり潰れることだってある。
卸や小売りはそういうリスクを最初から回避する方向に向かう。誰だって売れない物を大量に抱えたくない。だから売れ行きをみて発注するしきちんと契約もする。転売ヤーにはそういうものがない。全ての責任を小売りや末端のユーザーや生産側に押しつけるのが転売ヤーだ。