2021-05-04

次元」は整数値だけではない。無理数次元だって有り得る

世の中ではあまり知られていないようだけど、「次元」というもの整数値だけじゃないんだよ。

すなわち、1次元(直線)、2次元(平面)、3次元(立体)、4次元(時空間)…のような整数次元以外の図形も有り得るんだ。

いや別に、これは私が勝手に構築した妄想内での話じゃない。ちゃんとした数学での話だ。

一般フラクタルと呼ばれる図形では、無理数次元というものが考えられるんだ。

まず、フラクタルとは何か。

それは、図形全体がその一部分から再帰的に定義される図形のことだ。

まあ、これじゃ何言ってるかわからないよね。でも、具体例を見ればピンと来るだろう。

有名なのはシェルピンスキーのギャスケットというやつだ。

こいつは三角形なんだけど、その中身が細かくくりぬかれた図形であり、そのくりぬき方に規則性がある。

まず最初に、三角形中央をくりぬく。くりぬく形は元の三角形上下反転させて、半分の大きさにしたもの

すると、上、左下、右下に3つの三角形が残る。

これらも同じように、さらに半分の大きさの三角形中央をくりぬいていく。

これを無限に繰り返したものが「シェルピンスキーのギャスケットのギャスケット」というわけだ。

無限に繰り返すため、最終的にはそれこそ「骨しか残らない」ような図形になる。元々は三角形だったのに、線みたいな図形になるわけだ。

また、この図形は、例えば真ん中より上側を見るとわかるんだけど、図形の一部分と元の図形が同じ形になっている。

例えば、元の図形は、中央に逆にした三角形のくりぬきがあるが、その上側でも同様に、中央三角形のくりぬきがある。

また、そのくりぬきの左側をそれぞれ見てみよう。

元の図形でも、その上側でも、やはり小さい逆向きの三角形でたくさんくりぬかれた三角形が、全く同じように存在するだろう。

というふうに、「シェルピンスキーのギャスケット」は、その図形全体がある一部分の繰り返しで形成されるわけで、

先の定義のとおり、同図形はフラクタルの仲間というわけだ。

ここまで、「シェルピンスキーのギャスケット」は同じ形の繰り返しということを述べたが、この後、無理数次元の話をするために、もうひとつだけ注意しておく。

それは、同図形は大きさを2倍にすると、同じ図形が3つに増えることだ。

先に述べたとおり、同図形はその上半分と同じ形をしている。そして、同じ形が上半分、左下、右下に現れる。

まり、辺の長さを2倍にした「シェルピンスキーのギャスケット」を描こうとすると、

元の図形を真ん中以外の、上半分、左下、右下に3つ配置した図形になるわけだ。

もう一度繰り返すが、「シェルピンスキーのギャスケット」は辺の長さを2倍にすると、図形全体は3倍になる(★)。

これは、後で無理数次元の話をするときに、もう一度出てくるから、よく理解しておいてほしい。

さて、この増田無理数次元について述べるものだった。

それでは、次元とはなんだろう。

突然だが、ここで、正方形立方体を頭に思い浮かべてほしい。

その1辺を2倍にすると、正方形の面積、立方体の体積はどうなるか。

正方形は、縦の長さと横の長さが2倍になるので、面積が4倍になる。

立方体は、縦の長さと横の長さと高さが2倍になるので、体積が8倍になる。

さて、面積や体積は1辺を2回または3回かけ算すれば求められるので、

この4倍や8倍という値も、2の2乗から4倍、2の3乗から8倍として求めてもよいことがわかるだろう。

これをまとめると、

2を次元乗すれば、図形が何倍になるかがわかる(☆)

というわけだ。

例えば、立方体場合は、立体なので次元が3で、図形は8倍になるだった。

一方で(☆)の考え方でも、2を次元乗、つまり3乗することで、図形が8倍になることがわかる。正方形場合も同様だ。

すなわち、わざわざ正方形立方体を頭に思い浮かべたり、面積や体積の公式を思い出さなくても、

(☆)の関係を考えれば、辺を2倍にしたとき、図形が何倍になるかがわかるのである

そして、数学では(☆)を次元定義とするわけだ。

(これは「ハウスドル次元」と呼ばれる。なお、ここでは簡略化のため、単位長さを2倍にする場合だけ考える。)

すると、無理数次元についてようやく説明ができる。

ここでは、前述の「シェルピンスキーのギャスケット」の次元を考えてみよう。

(★)で述べたとおり、同図形では「辺の長さを2倍にすると、図形全体は3倍になる」のだった。

よって、「シェルピンスキーのギャスケット」の次元をdとすると、(☆)から、2のd乗=3が成り立つはずだ。

d=1とすると、左辺は2の1乗なので、2となり、左辺の方が小さい。

d=2とすると、左辺は2の2乗なので、4となり、左辺の方が大きい。

から、dは1から2の間にあるだろうことがわかるだろう。

まり、「シェルピンスキーのギャスケット」は直線(1次元)と平面(2次元)の間にある存在だというわけだ!

これは、直感的には以下のような理解の仕方が可能だ。

同図形は三角形(平面)で構成されたものであるため、ベースとなるのは2次元である

しかし、先に述べたとおり、その中身は無限にくりぬかれていく。

まりほとんど中身はスカスカになっていく。「骨しか残らない」図形で、線みたいになっていく。

から、「シェルピンスキーのギャスケット」の次元も、2次元よりは線(1次元)に近いのだから、少し小さい値になるだろう、というわけだ。

ちなみに、このdを実際に計算するには対数log)が必要だが、おおよそ1.58となる。

この場合log無理数となるので、一番最初に述べたとおり、無理数次元というものが本当に存在するというわけだ。

シェルピンスキーのギャスケット」は部分的には三角形の組み合わせなので、平面である2次元のように見えるが、

細かくしていくとさらにその中に空白があるため、2次元よりは少し小さいだろう…

その感覚を数式化したものが、先に挙げた無理数次元というわけだ。

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