ああ……
コレは僕が書かなきゃいけないな。ブレインストーミングの話について。
ブレインストーミング略してブレストとは、何人かでアイデアを出し合う会議のこと。
そのアイデアが良さそうかどうかは考えずに、ひたすら数を稼ぐ。量が質を生むのスタンスでアイデアを出しまくる。選別は後で行う。僕も企画のときには良くやっている。
新作をどうするか考えるために、担当編集女性と新人の編集、僕との三人でオンラインで集まりブレストをやっていた。いつものように盛り上がり、奇抜なアイデアがドンドン出て熱が入ってきた最中。
「定番を抑える系も考えてみるか… 低級モンスターはもうやられてるから… そうだな、家畜とか… あっ パイがデカくて容姿にコンプレックスを抱えてる女主人公が、転生してウシになるとかどーよ? もはや食べられるだけの存在なのに、どうやって世界を救うのか? 面白くね?」
まるで回線が切れて音声と映像が止まったみたいに場が凍りついて、担当は紅茶のカップを落とした。
ガシャ
鈍い音がひびき、やがて新人編集が口を開いた。「いやありえないでしょ」
「女性の容姿を動物にするなんて… いやそれ体型を揶揄するためにウシなんですよね?
女性がここにいるって解っててそれ言ってるんですよね?
…先生、そんなアイデア出してくんなら、先生はもう黙っていてください。」
この新人は普段はなに考えてるかわからない暗い雰囲気の青年で、基本は聞かれるまで喋らない、時々は聞かれても喋らない、寡黙なヤツだ。その日のブレストでも低い声でボソボソとアイデアを出してたんだが(でも質はどれも良い)、この時は震えた声で僕をにらみつけるように見て、自分の意見を絞り出したようだった。女性担当は顔面蒼白で固まっていた。
これには痛く反省した。
立場の違いもあるのに、彼はよく勇気を振り絞って言ってくれた。ブレスト参加者は最低限のモラルを持っている。
実際に口にする前に立ち止まって、よくよく考えなければならない。自由に内心で考えるのはいいにしてもそれを発言するならば責任が伴うし、取り返しのつかないことになる場合もありうる。
改めて考えてみると「そりゃそうだ」としか思えないんだけど、僕は当時思ってもみなかったんです。
これか http://rethink-milk.com/2019/06/30/secret-of-milk/
ブレストって英語でおっぱいって意味で使われてるそれに掛けてるんやな
税金を大量に注ぎ込むコンテンツを作る場合だったら、当然そうなるだろ。 逆にアマチュアクリエイターが同人作品として出すなら全然アリなアイデアだな。