「お前、以前はこう言っていただろう。ダブスタだ」
ダブルスタンダードとは、「一人の人間が」「複数の同質の問題に対して」「異なる基準で意見を表明すること」だ。
上記のようなことを言う前に、少なくとも以下の視点でチェックしてみてほしい。
あなたが相手を勝手に「均質で同意見の集団」と考えて、本来は異なるべき集団間から意見を抽出してはいないか?
ある観点において同じ意見を提出した人にもそれぞれ個人の思想があり、他の観点において対立している可能性がある。
同じ法人や組織に属している者同士ならともかく、ネット上でたまたま同じ意見を表明している者同士で見解を統一させる義務は元より存在しないことを忘れないでほしい。
一人の人間が複数の議論に対し違うことを言っているように見えたとする。
しかし、議論の前提に大きな違いがあり、同じ判断基準を適用できる話ではないということはないだろうか?
あなたよりその人の方が、多くの前提を持って話しているということはないだろうか?
似ているだけの議論を安易に「同じだ」と考える前に、両方の前提を洗い出して見ることは重要だ。
第三者的な目線で話を聞いていると、ダブスタだと指摘されている人が実際異なる主張なんてしてないことも多い。
むしろあなたの論理力がその人の論理展開を追うのに足りていないことはないか?
あなたの側が党派性重視に陥っていて、党派性に関わらない判断を「ダブスタだ」と判定していないだろうか?
例えばある時は左派寄り、ある時は右派寄りの思想を表明したように見えても、その人にとっては左右関係なく一つの基準で考えた結果かもしれない。
あなたの思っている「基準」と、その人が判断に使用した「基準」は、本当に同じだろうか?
ここまでチェックしてなおダブルスタンダードだと思うのであれば、指摘をすればよい。
しかし、だいたいの場合はダブスタ指摘という回りくどい絡め手よりも、根本的に問題と思われる点を直接指摘した方がよいと思われる。
1秒後には気が変わっているかもしれないのでこの世にダブスタは存在しない