2020-11-09

某隠れバーに行って十分で帰った話

数ヶ月前の、まだ暑くてマスクを装着するのが辛い頃。

ツイッター流行った謎を解かないと入れない、別ショップを模したバー

こういったオサレな所に憧れ、予約を取って一人で乗り込んだ。

場所も駅からそう遠くなく、良い所だったら友達を連れて行く魂胆だ。

モチーフからからとても好みだった。コーヒーは飲めないけれど。


でも行って後悔した。時間無駄にした、そんな話になる。


予約した時間に向かえば、何故か入り口が混んでいる。

地下にあるお店なので下へ降りる階段が地上にあるのだが、何故か混んでいた。

予約しているのに何でだろうと思っていると、どうやら案内に時間が掛かっている模様。

検温したりもあるし大変なのだろう。オタクから待つことには慣れている。

周りはカップルなどばかりで気まずい。けれど待つしかなかった。

一組二組と案内されていく。自分の後ろにも人が並び始めた。

予約しててもこれならしばらく大変だろうな、なんて思っていたのが運の尽き。


自分の前のカップルの案内前で、ぴたりと列が動かなくなった。

ここまでするする動いていたのに、中に入れてもらえないのだ。

扉は厚いようで、中の様子が窺えない。中で止まっているのか、前のカップルが入らないだけか、こちらも分からない。

前のカップルは何度か扉を叩いたりしたが、中から反応はない。

何故かカップルは中に入ろうとせず、気付けば二十分も外で並ばされることになった。

地下へ行く階段に空調があるはずもなく、暑いし苦しいしで朦朧としそうな中、やっと前のカップルが中に入る。

少しすれば扉の向こうから「次の方どうぞ」と招く声が聞こえた。

あのカップルこの声が聞こえなかったのか?とか、店員がサボったのか?と色々思う所はあったけど、無事に入店できた。

ここまで来たのだから、酒を一杯でも楽しんで帰ろうと思っていた。まだ。元々我慢強い方だった。飲食経験あったからかも。


中は涼しかった。それだけが救いだった。

予約している旨を伝えると、席に案内された。カウンターだったが、壁を向いている席だった。

まぁ一人だし仕方ないなと思った。この時は。

おしぼりメニューを渡される。中にはバー料金のメニューがずらり。

でもこだわりが詰まっていることは分かった。一杯は飲んで帰ろう。そう思った。

店員は二人だけで忙しそうだ。注文もすぐ決まったから頼まなければ。

けどここから地獄だった。


声を上げて店員を呼ぶ雰囲気がなかった。ここで怖じ気付かずに声を掛ければ良かったのかもしれない。

けど良い雰囲気バー、周りはカップル複数人で来ている客ばかり。場違い感がひしひし感じる。

一年齢層が同じ所だけが救いだった。

顔を上げて店員を探す。こちらを見ようとしない。忙しそうで目が合わない。声も掛けづらい。

正面のカウンターに座る、既に一杯飲んだ客の二杯目の注文を聞く店員。何で。

隣の、隅に一人客が座る。彼女も一人か、一人仲間がいて良かった。

けど自分より後に来たのに、店員が隣の客の注文を聞く。

気付けば席に座って十分、注文を聞かれることがなかった。


段々腹が立ってきた。大きな声を出すこともできない。近くに店員が通らないから声が掛けられない。目も合わない。

この時は確か水もなかった。おしぼりメニューだけ。水を飲んで誤魔化すこともできなかった。

そしてやっとカウンター内の男性店員と目が合った。

「注文を聞きます

と。


メニューを置いた私は

「十分席に座っても聞かれないので帰ります

と席を立って店を出た。

勿論偽装にもらうと言うコーヒーなんてない。手ぶらだ。

早い時間に行ったこともあってお腹が空いていた。ラーメン食べて帰った。ラーメンめっちゃ美味しかった。


後でツイッター検索したら、他の客の愚痴ツイートを見つけた。

「三十分注文がない、会計を倍取られそうになった」

忙しさから色々抜けているんだな。そう思って、ツイッターで何か言うのは止めた。

他は全部賞賛ツイートだらけだったから。


結局入店前の待ちから考えれば三十分も時間無駄にした訳で、記憶には後悔しかない。

せめて一人じゃなければ、友達と語りながら待てたのかもしれない。

でも飲食経験あった分、一人客をそんなに待たせたら駄目だろという意見になってしまう。

ももっとうまい立ち回りがあったかもしれないが、あの店に行くための浪費を思うとイラッとする。


ふと思い出したので記録として呟いておく。

もう行くことはないけれど、他に同じ思いをした人がいないことだけを祈る。

  • 俺も今飲食でバイトしてるんだけど店員としてホールで動いてるときは時間全然経ってない気がするけど客側としてはめっちゃ時間経ってるよな。経営側は客席の数と従業員のバランス...

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