真面目に答えず、出来る限り嘘と虚構を織り交ぜて答えていきたい。
それは彼らが全員オースティン・パワーだからさ、HAHAHA……
はー……オースティン・パワーをご存じない?
彼の芸風は、今で言うスベり芸みたいなものだ。
特徴的なのは、オースティン・パワー自身もそれを認識している点だろう。
でも言わずにはいられないという、自意識と自信が噛み合っていない状態なのだ。
そこで彼はジョークを言う時にヘラヘラ笑ったり、おどけて見せる。
とりあえず率先して笑えば気持ちが追いつくし、誰かがついてきてくれるかもしれないからな。
自分自信が率先して笑っても、繰り返しやっていくと誤魔化せなくなる。
結果、バツが悪そうに、自分の笑い声も少しずつ勢いを失っていくのだ。
そして最終的に我に返り、「自分でもそんなに面白いとは思ってないし」といった態度をとって芸として成立させる。
こう書くとオースティン・パワーは退屈な男のように思えてしまうかもしれないが、役者の演技や作品の演出、客演のリアクションも相まって体感的に面白いように仕上げているんだよ。
そして彼らのゲラも、本質的にはオースティン・パワーの延長線上といえよう。
若者はこのサイドブレーキがそもそもなくて、年寄りはサイドブレーキはあるけど緩んでいるという違いはあるが、その本質は同じだ。
綺麗に止まらなくても、後からブレーキペダルを踏み込むか、そのままアクセルを踏み抜けばいい。
ブコメなどでも駄洒落や親父ギャグを書く者が散見されるだろう。