Twitterで、とある漫画がバズっている。伊咲ウタさんという方の、「ノンセクシャルの彼氏のお話」という漫画だ。下記にリンクを張るが、増田を書くのは初めてなので、うまくできてなかったらごめんなさい。
https://twitter.com/uta_isaki/status/1298224018911145985?s=20
この漫画自体を読んだときは、なんとも思わなかった。切ないなあ、っていうくらい。問題は、この漫画に対する評価だ。引用RTを見ると「女の子が「キスしたら別れてあげる」と彼氏に言ったのは、ノンセクシャルに対する性暴力である」という意見が多い。うんうん。そうだね。ノンセクシャルにそうでない人間が性的な接触を迫るのは性暴力だね。わかるよ。じゃあ聞くけどさ、
なんでお前ら「彼氏がノンセクシャル的な付き合いを彼女に要求したこと」は無視してんの?
劇中でも「好みの顔があんなに近くにあっていちゃつけないなんて拷問だ」と言っている。そう。性欲がある人間からすると、好きな人に性的な接触ができないというのはかなりの苦痛だ。拷問というのは的確な表現だと思う。精神的暴力だ。なのに、Twitter上で見る限り、ノンセクシャルの方々はそこを完全に無視している。彼氏の側は性欲のある人間の無理解に巻き込まれた被害者で、女の子は加害者、と主張している。でも私からしたら女の子はノンセクシャルの人間の無理解に巻き込まれた被害者だという言い方もできるんじゃないの、と思っている。そこの暴力性を無視するのはなんなんだろう。多分それが暴力だって気づいてないんからなんだろうけど、それじゃ性欲のある人間がノンセクシャルにしてることと、立場が逆転しただけじゃないか。まったく納得がいかない。
私はノンセクシャルじゃない。性欲も恋愛感情もしっかりある。別にそのことがノンセクシャルに勝っているとは思わない。が、別にノンセクシャルに対してそこが劣っているとも思ってない。利き手の違いと同じだと思っている。だから、ノンセクシャルが自分たちの気持ちは理解される受け入れるべきだが、性欲のある側の気持ちは受け入れないし理解しない、みたいなことを言っているのは意味がわからない。
ノンセクシャル側からしたら、性欲のある人間は多数派で力がある側だから理解して「あげないといけない」と主張するのかもしれないが、そんなパターナリスティックな「理解」で本当にいいの?少なくとも私は、それが健全な理解のあり方だとは到底思えない。