作者本人が同人作家の影響なのか、主人公だけでなく周囲の登場人物も同人作家という場合が多いが、実際同人って結構ハードルが高くないかと感じる。
第一に自分の周りや親世代で、コミケに参加する人はいても本を出してる人は見たことがないし、コンカフェで働いていて来るオタクの客に話を聞いても本を出してる人間にはまだ一人しか出会ったことがない。
そもそも同人を出すにあたって、絵が上手くなければ本にしてはいけないというルールなど存在しないものの、流石にキャラの描き分けや他人に見せて恥ずかしくない程度の画力や漫画の構成力が必要だし、十数ページ〜の漫画を描きあげてそれをイベントごとに繰り返すという漫画やイラストへの執着心(?)や根気、時間や体力も必要になることから、やっぱり元々絵や漫画の才能がない・馴染みがなかった人間には難しいんじゃないかと思う。
実際自分がまだ10代だからそんな風に思えるかもしれないが、中学生の時に二次創作を始めて、夏休みや春休みも宿題が終わったらずっと絵の練習、高校でもバイトは諦めて学校の勉強以外の時間はずっと絵の練習に当てて過ごしてきて、最近やっと漫画らしい漫画が描けるようになってきたしイラストも形になってきた。それでもここまで来る過程がすごく大変だったから、同人女が当たり前のように出てくるエッセイなどを見ると、彼らは同人をやる時間がたくさんあったり、それなりに売れる漫画やイラストを描けたりして羨ましいなと思うというか、ちょっと特殊なんじゃないかと思えてくる。