せいせいした気持ちで残りの勤務日を過ごす俺に悪夢のような一報が届く。
「送別会をしますよ!何日が開いていますか!?」(原文まま。開いていようが空いていようがどうでもいい)
後輩からだった。後輩よ、社内メールの元気がいいのは構わないがこの無邪気さを今だけ呪わせてくれ。
誰に吹き込まれたのかは知らないが(後に俺の班の先輩だったと判明する。怨。)とんでもないことを企画してくれる。
確かに周りには最低限の愛想を振りまいてはいたが俺は基本的に陰キャなのだ。社内の飲み会など当然乗り気ではなく、家でのんべんだらりと引っ越しの準備がしたい。
俺を送り出す送別会なんか開くな。当時の会社が気に食わなくてこちらから三行半を突き付けたのだ。霧散するように会社からいなくなりたかった。
結局当日は世話になった上司達に酌をし、後半には全員の前であいさつをさせられた。貼り付けた愛想笑いで頬が痛かった。
今の会社からいなくなる同僚から「僕の送別会があるんだろ?どうすれば回避できる?」と相談を受けたためこんなような経験を思いだした。
俺も同僚も小心者なので「はあ?余計なことすんなばーか!」なんて口が裂けても言えない。
送別会が自己申告制にでもならないかぎり俺たちのような根性ナシは苦しみ続けるのだろう。
送別会を開かないと周囲からの体裁が悪いのはわからないでもないのだが、そんな不確かなものとは戦わないほうがよいだろう。
願わくばこの文章が世の「送別会開催したい人種」達の目にとまり、少しは躊躇してもらえると幸いである。
なるほど「送別会を開いてもらえなかった!」と文句を言う人間がいるのか。
そんないちゃもんをつけられては確かに送り出す方としては居心地が悪いだろうが、どうせいなくなる相手なんだから気にしなくていいぞ。
どの日も開いてないですで送別会なかった先輩がいたぞ
いまこそありったけの親戚に不幸ができた作りばなししてもバレないとき