前提として私は女だと明記しておく。
内容はタイトルのままだ。
店員をネタにイキリたいウェイ系大学生もまあまあ鬱陶しいが、彼らの興味は基本的に仲間内に向いているのでそこまでウザくはない。
セクハラオヤジは普段女に相手にされていないのか、やたらとこちらのことを聞いてくる。
例えば
・年齢
・彼氏の有無
・住んでる場所
これを『コミュニケーションの一環だ』などと思ってる人へ。これらの情報の提供がコミュニケーションになるのは親しい場合に限られることに気づいてほしい。
そしてこれらの情報を聞かれている間、店員(私)が無駄に拘束され業務が滞っていることにも気づいてほしい。
ケチってキャバクラにいかず居酒屋の店員に絡んでいるような人間に倫理観を求めるのは酷だろうか。
ここで一番ゾッとした経験を挙げる。それは客が私をオークション形式で値付けしたことだ。
この時ばかりは私も家でわんわんと泣いた。
二十年程生きていれば、明確な悪意を持って罵倒された経験などいくつもある。ただ、こんなにも無邪気に心無い言葉を吐ける人間がいることがあまりにもショックであった。
きっとあの人たちにとっては冗談のつもりだったのだろう。
しかし、酒が入っているとはいえ平気で他人に、それも本人の目の前で値段を付けられるその神経に目眩がした。
気持ち悪い。
信じ難いことだが、この集団の少なくとも一人は子供をもっているらしい。
客と店員
男と女※
年上と年下
私と客(客などとは思いたくないが便宜上こう呼ぶ)の力関係はとにかく不釣り合いだ。
そんな弱い立場の人間(ここでは店員である私のことだ)に対して最低限の尊重もできない人間が、親と子という不均衡な力関係においてどういう行動にでるのか……。
考えたところで仕方ないことではあるが。
退店の時、彼らは無邪気な笑顔で「また来るね」と言っていた。
私は笑いながら、二度と顔も見せないでほしいと思った。
※男女については単純な筋力差や体格差があるため挙げた