子供の頃から何かにつけて「おいしい!」を言っていたな、と最近気付いた。
未就学とか、小学生低学年とか、それくらいから。実際母の作るごはんはおいしい。それを差し置いても私はしょっちゅう「おいしい!」と言った。
きっかけや理由は曖昧。母を褒めようとしていたような覚えはある。だから、無理のある「おいしい!」もあった。
キュウリとトマトとレタスとハムをよそっただけのサラダに「お母さんがスーパーで選んだキュウリおいしい!」って言ってた記憶がある。我ながら苦しい理由だ…。
大学に入った時、一年だけ一人暮らしをした。その間、実家は母と父だけの二人になった。
父は、あまり料理の感想を言わない。味音痴ではないし美味しいものは美味しいとわかる人だけど、言わない。既製品に対する文句やダメ出しはするあたり、美味しいイコール味が気にならないからわざわざ口に出さないのだろう。が、悪く言うと、母の料理には無頓着のように見えた。
それが関係しているかどうかは微妙なところだが、私が実家に戻ってきてから、母は何度かこう言った。
「あんたがおいしいって言って食べてくれるから作りがいがあるわ」
私の「おいしい!」はもう癖になっていたから、そうなの?としか思わなかったけど、あとからちょっと照れた。
そんなことを言われたので、「おいしい!」は積極的に言うべきなんだなーと思う。なにも作り手のためだけじゃなく、自分のためにも。
美味しいものをおいしいと言うと、さらにそれが美味しく感じられる。言葉を発した口の動きで、音を捉えた聴覚でオイシイという情報が脳に入ってくるので。て塾の先生が昔言ってた。
でもおいしくなければ言う必要はない。
こういう女性と結婚したい
うん、おいしい!