といっても触ったのは友人だが。神スイングの人の始球式の記事を見て、昔あった出来事を思い出した。
今から大体20年前、小学生の頃に某国民的アイドルと共同作業する子供として生中継する番組に出たことあった。
番組については事前には全く教えられず、学校で任意に環境保護の集会に関するイベントと称して参加を募っていたもので、当日に行きの貸切りバスでの移動中にテレビ番組であることやアイドルと共同作業をすることを知らされて、皆驚き喜んでいたのを覚えている。
その番組の途中、アイドルのメンバーが生中継のレポートが終えディレクターがOKを出した直後、子供に囲まれる様に立っていたメンバーに対して子供達が群がりなんとか握手しようと触ろうと一時的に揉みくちゃになった。スタッフがメンバーを連れ出すまで、その間大体20秒位。国民的アイドルのリーダーのすぐ横にいた俺もすぐさま握手した。友達は俺が握手している間に股間を揉んでいた。
当時そこまで性的な関心があったとは考えにくい。えげつないスキンシップをはかる小学生の男子を前に、求められる側は無抵抗。番組の途中で険悪な雰囲気にも出来ないだろうし、そもそもこういった事も日常茶飯事なんだろう。ただ事態が収拾するのを待っているかのように、笑いも怒りも反発もせず、戸惑いながら無言で対応する時の何とも言えない素の表情が忘れられない。
皆、慣れない空間で舞い上がっていた。そして自分自身が勢いに任せてルールを踏み外す群衆の一人になっていた。
非日常の緊張感と高揚感の中で、自分がその場の勢いに突き動かされた事を思い出すと恐ろしい。シチュエーションさえ揃えばもっと酷い行為に加担しているかもしれない。集団で舞い上がった時に冷静さなんてひとかけらもないのがその時の状況である。