201X年冬のボーナスは2万円だった。
その前の夏のボーナスは5万円だった。
その前は4万とか。
部内で最高の売上を達成していた時期でも、ボーナスは10万を切っていた。
ボーナスが出るだけいいじゃないかと思っていたし、言われてもいた。
月給手取り16万。
給料が安い安いと転職組が愚痴っていたが、新卒組には16万が安いかどうかなんてわからなかった。
朝飯も昼飯も夕飯も職場近くの弁当屋やら外食チェーンを転々としていた。
金は食費に消えていた。
「お前の能力でこの会社を辞めたら、生きていけないよ」とよく上司に言われた。
その通りだと思っていた。
仕事は嫌いじゃなかった。
贅沢したくて仕事してるわけでもなかった。
十分だと思っていた。
転職した。
ある日突然仕事に行けなくなって、
辞表を出したら即日受け入れられて、
消化率ゼロパーだった有給を消化しつつ「仕事辞めたんすよ」なんてアルコールで抗うつ剤を飲み下していたら、
「じゃあウチで働けば」と声をかけてもらった。
ああこうやってワープアは量産されるんだなと思いながら、
二年目で契約社員になった。
額面25万。
ただただびびった。
そんでボーナスが出た。
60万。
いっそ途方に暮れた。
今の仕事も嫌いじゃない。
だけど昼に臨時の給与明細を持ってきた事務のおねーちゃんがにこにこしててさ、
「初めてのボーナスですね」って、
「いっぱいですよ」ってこっそり添えて渡してくれた封筒をこっそり開けてさ、
養うには足りてたけど、余裕はなかった。
余裕がないっていうただそれだけで、
人って結構、追い詰められるのかもしれない。
という感慨。
おめでとう。
追い詰められるもなにもあっさり騙されて搾取されてるちょろい奴隷だったってだけだろうが
おめでとう。 増田は本当は今の会社くらいの評価をされるべき人だったんだね。 自分も2年前まで正社員で勤めていたけど、 手取り17万、残業代なし、ボーナスなし、入社7年でも昇...
フリーランスが会社員より稼がないといけないのは当たり前