話すのが上手になりたくて塾講バイト始めた。もちろん集団相手だ。
個別指導なんて誰にでもできる。逃げ道・邪道。どうせ金稼ぎしか頭にないアホがやる仕事だろう。俺はお前らとは違う。
と思って始めたが今でもその思いは変わらない。
始めて1年してわかってきたことは俺の言葉は一部の人間にしか届かないらしいということだ。
例えば俺の持ってる16人のクラスでは、上位6人が成績を伸ばし下位10人が大きく偏差値を落とした。
後者の家庭に電話を入れると親に「授業ではわからなかったらしいんですけど家でやったらわかったみたいです」なんて嫌味を言われる。一軒や二軒ではない。
そう言う意味で俺はこの業界では負け組だ。たった1年で何を言うと思われるかもしれない。
しかし俺は生まれてこの方勉強でもスポーツでも自然に勝ってきた。すっと東大に入った。現役で落ちたときも負けたとは思わなかった。
人に好かれる振る舞い方もわかっているので、常に人間関係も卒なくこなせた。
こんなに要素の揃ったこの俺が社会にたった一歩踏み出してあっさり負けた。
塾の大人にはよく頑張っていると褒められるが俺は自分が負けていることを知っている。
塾の大人は、やはり授業が上手い。そんなに大した先生の集まりではないのだろうが、俺はあと何年続けても彼らにすらなれないと思う。
10個も20個も上の人と比べられても、そりゃあ、ずるいよ。勝てないもの。
先週突然バイト辞めようと思った。なんか、降ってきたというか、「辞める自分」が腑に落ちた。
ひたすら消耗している状況が滑稽に思えた。
すぐに辞める報告をしに行った。想像の1/100も緊張しなかった。あっさり受け入れてくれた。
「どうせもう辞めるし」「それ以前にただのバイトだし」と思うと別に授業を頑張る必要もないと思える。
頑張らないで教壇に立つといろいろ見えた。
そこに先生が頑張らなくてはいけない理由はないし、そもそも頑張ることが邪魔でさえある。
俺はずっと自分のためだけに授業していた。
向いている大学生なら始めからうまくやれるのだろうと考えると腹が立つ。
でもよく考えてみろ。
きっと気づかない奴が大勢いるだろう。
それに周りの東大生を見てみろよ。自分の能力に、なんの危機感も抱いていないタコばかりだぜ。
俺はやっぱり賢い。
お疲れさま。 少々説教臭いですが、あなたは今大学生とのこと。今まで問題はすべて与えられてきて、それにこたえられてきた立場でしょう。で、これからは「課題を見つけたうえで」...
正しいバイトの使い方だよ、バイトはいい社会経験ってよく言われるが失敗と気づきができる。 今の内に失敗して向き不向きを見つけりゃ後が楽になるぞ。