一応ボーナス時期に与えられる手当はある、だが、勤務状況に応じて支給されるこれを「ボーナス」と呼ぶのは正しいか?
少なくとも「ボーナスもらえるようにもっと仕事を頑張ろう」という公務員はいないのであって(基本定額だから)、これがいわゆるボーナスとして機能していないことは明白である。時期と金額が似てはいるものの、これをボーナスと呼ぶのは無理がある。別の増田が言うように、これは年棒の均等配分による賃金上昇を避けるのと、社会の経済的慣行に合わせるため(ボーナス払いの利用など)だろう。
だが、公務員がボーナスを受け取るのはおかしい、という考え方もややおかしい。
社会を円滑に回すのが公務員の仕事であるのだから、円滑に回っていれば社会全体のその成果(税金収入)から賞与がえられるのはむしろ当然だろう。公務員の仕事の多くは定常的なものではあるが、会社においても定常的な仕事を担当する部署は多いので、例えば「営業にはボーナスやるが経理や人事にはボーナス無し」という理屈にはならないだろう。公務員給与が「人事院の勧告」という形で、社会の状況に合わせて毎年決定されている以上、本来はボーナスもまた、「社会全体のボーナス月数平均」を基準に支給されたっていいと思うのである。絶対そうはならないだろうが。
さて、ボーナスというモチベーションのない公務員の給与的モチベーションは、どこにあるかというと、しいて言えばそれは「昇進」だろう。昇進して号俸の数字が上がれば給与は増える。だが、あくまで「ちみっ」とだ。そのうち段々と、昇進でのしかかってくる責任に対して昇給額は割に合わないように設定されているということに気付く。つまり、公務員には給与に関するモチベーションというのは、ほぼ存在しないのである。業績を上げても楽にはならない、給料も上がらない、それでも多くの公務員がサービス残業までして働くのである。考えてみれば不思議に思わないか? 自分でも時々不思議になるくらいだから、公務員でない人に公務員が理解されにくいのも、まあ仕方ないかなあとも思うのである。