パシーーン!(death6coinの頬を叩く音)
「ダメです!death6coinお姉さま、そのピアノの調べは!
death6coinお姉さま、
ピアノの調べに乱れが、いや乱れと言うより沸き上がる心の喜びというか……
軽やかな春の風を思わせるその暖かなセルクマの調べ。
それだけはいけませぬ!
人の悲しい気持ちにより添い、
気持が沈むところまで沈まなくてはいけない調べを奏でなければならないことは重々ご承知のはず」
***
国は活力にあふれ、人々は喜び賑わう。
もちろん、ヴォルケーセ家の者たちも自分たち「悲しみの楽団」が必要とされない日が多い方が、良いことくらい当たり前に分かっていた。
それがヴォルケーセ家の者たちの運命(さだめ)だった。
それに対して、
そういった一つの体系があると、
反対の要素の体系も同時に存在している。
国が喜びに満ちたときの宮廷楽団「喜びの楽団」それがラ・ヴォルケーセ家の宮廷楽団。
ラ・ヴォルケーセ家とヴォルケーセ家の両家は、
不仲とは全くの無縁のとても良好な関係だった。
が、決して、
そのそれぞれが奏でる音楽と、
そしてその「血筋」は混ざることがなかった。
あの「出来事」の起こる前までは……。
***
その日を境にして彼女はヴォルケーセ家から居なくなってしまった。
幸せはそう長く続かず、
一瞬にして二人の間は引き裂かれた。
やがて、それが国を動かすことになった。
悲しみも喜びも分け隔てることなく奏でるようになったのだ。
国民のみなの願いが一つになった。
***
「おばあちゃん、もう眠たいよ」
「おやおや、そうかい?じゃこのお話の続きはまた明日しようかね」
「うん、おやすみなさい」
もう、この話のことも誰もが忘れてしまったよ。
でも、こうやって受け継いで語り継がなくては……。
この悲しい話を。
遙か遠い国の昔話のようだけどね。
そう独り言のようにつぶやくと、彼女はその子の部屋を後にした。
知る人はもうほとんどいない。
usausamode 「何故、idをみんなに告げなかった? 何故、特定idを批判するときに自分のidをみんなに言わなかったんだ!! 貴様はおのれの私利私欲のために、匿名性をも利用したんだッ...
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