2017-06-06

http://anond.hatelabo.jp/20170606184031

パシーーン!(death6coinの頬を叩く音)

ここはハイク城の離れにあるとる場所

ダメです!death6coinお姉さま、そのピアノの調べは!

 death6coinお姉さま

 ピアノの調べに乱れが、いや乱れと言うより沸き上がる心の喜びというか……

 軽やかな春の風を思わせるその暖かなセルクマの調べ。

 お姉さままさか恋をなさったのじゃ!?

 しかも、ラ・ヴォルケーセ家の方!!!

 それだけはいけませぬ!

 私たちヴォルケーセ家の音楽は、

 人の悲しい気持ちにより添い、

 気持が沈むところまで沈まなくてはいけない調べを奏でなければならないことは重々ご承知のはず」

***

このヴォルケーセ家は王室お抱えの宮廷楽団

国が悲しみに包まれときに奏でられる楽団血筋の家柄で

彼女たちの宮廷楽団活躍する場が少ないほど、

国は活力にあふれ、人々は喜び賑わう。

もちろん、ヴォルケーセ家の者たちも自分たち「悲しみの楽団」が必要とされない日が多い方が、良いことくらい当たり前に分かっていた。

逆の意味繁栄象徴で、

それがヴォルケーセ家の者たちの運命(さだめ)だった。

それに対して、

そういった一つの体系があると、

反対の要素の体系も同時に存在している。

国が喜びに満ちたとき宮廷楽団「喜びの楽団」それがラ・ヴォルケーセ家の宮廷楽団

この国には「悲しみ」と「喜び」の二つの宮廷楽団があるのだ。

互いに相反する性格音楽を奏でるが

ラ・ヴォルケーセ家とヴォルケーセ家の両家は、

不仲とは全くの無縁のとても良好な関係だった。

が、決して、

そのそれぞれが奏でる音楽と、

そしてその「血筋」は混ざることがなかった。

あの「出来事」の起こる前までは……。

***

その日を境にして彼女はヴォルケーセ家から居なくなってしまった。

ラ・ヴォルケーセ家の者と駆け落ちしてしまたからだ。

だが、若い二人のしでかしたこと、

幸せはそう長く続かず、

一瞬にして二人の間は引き裂かれた。

両家の伝統を乱した二人は悲しくも処刑されてしまった。

国民はいくそのことを気の毒に思い、

やがて、それが国を動かすことになった。

つの楽団統合され、

悲しみも喜びも分け隔てることなく奏でるようになったのだ。

宮廷楽団は一つになり、

国民のみなの願いが一つになった。

尊い若い二人の命を犠牲にしたが……。

***

「おばあちゃん、もう眠たいよ」

「おやおや、そうかい?じゃこのお話の続きはまた明日しようかね」

「うん、おやすみなさい」

もう、この話のことも誰もが忘れてしまったよ。

でも、こうやって受け継いで語り継がなくては……。

この悲しい話を。

遙か遠い国の昔話のようだけどね。

そう独り言のようにつぶやくと、彼女はその子の部屋を後にした。

彼女がdeath6coinの妹の末裔だと言うことを

知る人はもうほとんどいない。

記事への反応 -
  • usausamode 「何故、idをみんなに告げなかった?  何故、特定idを批判するときに自分のidをみんなに言わなかったんだ!!  貴様はおのれの私利私欲のために、匿名性をも利用したんだッ...

    • パシーーン!(death6coinの頬を叩く音) ここはハイク城の離れにあるとる場所。 「ダメです!death6coinお姉さま、そのピアノの調べは!  death6coinお姉さま、  ピアノの調べに乱れが、い...

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